「 GB DGG 138 805 ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 ベートーヴェン 交響曲6番「田園」」を通販レコードとしてご案内します。
スポーツカーで田園を疾走するかのような流線型の演奏 ― ヘルベルト・フォン・カラヤンの伝記を著したリチャード・オズボーン氏が、モーツァルトの協奏曲の演奏の項で、「高速のスポーツカーに乗った可愛い娘を追いかけて、曲がりくねった慣れない田舎道を飛ばす。」と記しているが、本盤のベートーヴェンの《田園交響曲》の演奏も、正にそのような趣きを感じさせる名演であると言える。カラヤンの第1楽章は、よく言われるようにテンポが速い。しかしながら、カラヤンのこの楽章の特徴的な点は、それよりも推進力にある。《田園交響曲》では、カラヤンは例の執拗な繰り返しの部分で、徐々に音量を上げていくかどうか、それ以上になにか仕掛けを施し、聴き手はその推進力によって煽られる。第1楽章はややリズムが前面に出過ぎで、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団が重量感ある動きをもてあまし気味の感なしとしません。優れているのは第2楽章で、軽やかに純音楽的に流れていくなかにも濃厚な味わいがあります。第4楽章「嵐」はベルリン・フィルの合奏力が生きており、稲妻の閃光の鋭さはハッとさせます。第5楽章は自然への喜びを味わい深く歌い上げます。カラヤンのベートーヴェン交響曲の中で最も酷にかたられる録音である。しかし、ベルリン・フィルの線が太い・色調の暗めの響きで描かれた「田園」は聴き終わって情景描写による音のドラマというよりは、純音楽的表現に徹した一幅の絵を見るような感じを受けるのです。ベートーヴェン生誕200年を前に、1961年から62年にかけてベルリンのイエス・キリスト教会でおこなわれたセッション録音。1951年から5年間かけて完成させた、イギリスEMIでのフィルハーモニア管弦楽団との初のベートーヴェン交響曲全曲録音から6年。今度はベルリン・フィルが相手ということでヴィルヘルム・フルトヴェングラーの亡霊を前に躍起になってあがいているカラヤンの姿が、50年以上前の録音だというのに熱気とか活力とか、そういったものを発散させる表情までわかるようだ。50歳代半ばだったカラヤンが、まだドイツ・ローカルな雰囲気を残す木管ソロの音色で実に味のある演奏を聴かせていた頃のベルリン・フィルを指揮して完成させた力作です。カラヤンの圧倒的な統率力、オペラ座付きのウィーン・フィルハーモニー管弦楽団と違って、コンサート・オーケストラの機能美を最大引き出してダイナミクスな音楽を展開している。ベートーヴェンはベルリン・フィルの得意とする作曲家ですが、その最初の交響曲全集は、アンドレ・クリュイタンスの指揮によって1957年から1960年にかけてイギリスEMIが録音したものでした。これは、カラヤンがフィルハーモニア管とイギリスEMIに録音していたため、1957年開始だと再録音の間隔が短すぎたことが要因と思われます。そうした事情もあってか、ここでのカラヤンの指揮ぶりは、ほとんど前のめり気味なまでの意気軒昂ぶりをみせるものとなり、ダイナミックでスピード感のある音楽づくりが当時のカラヤンの覇気をよく伝えています。
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