「 GB EMI RLS763 エリーザベト・シュヴァルツコップ 歌曲集 The Early Years」を通販レコードとしてご案内します。
ええっ? これがあのエリーザベト・シュヴァルツコップのレパートリーだっていうんですか? ― と、びっくりするとか、驚かずにはいられない。まずは、モーツァルト、シューベルトのリート集は文句なしに素晴らしいものですが、最も得意としていたのは、その声質からしてもモーツァルトの楽曲であったと言えるのではないだろうか。歌劇場で育った歌手故に、シュヴァルツコップのモーツァルトの歌曲は他の歌手によるモーツァルトの歌曲に比べても決してきれいな声で歌われているとは言えないのだが、どの曲もその濃厚な表情が美しい。モーツァルトの歌曲の代表作をほぼ網羅した歌唱は随所において豊かな情感が込められているが、それでいてセンチメンタルになることはなく、愛らしくもあり格調高さを保つことを忘れない、この大歌手ならではの自在なものです。「春への憧れ」一つとってしても、他の誰よりも晩年のモーツァルトの夕映えの情緒が熱く歌いだされている。この録音の伴奏には、当時のシュヴァルツコップの伴奏の常連だったジェラルド・ムーア。その絶頂期に残した素晴らしい完成度を誇るモーツァルト。オペラの録音というのは完璧なものなんて滅多にないもので、どこかに穴があるものだが、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮フィルハーモニア管弦楽団での歌劇「フィガロの結婚」などにおいても素晴らしい歌唱を披露しており、シュヴァルツコップとモーツァルトの楽曲の抜群の相性の良さを感じることが可能だ。21世紀に入り惜しまれつつ亡くなったシュヴァルツコップは、様々な楽曲において持ち前の名唱を余すことなく披露した。ヴィオレッタ、ミミ、ミカエラ、リュウ、蝶々さん、ジルダ、これらヒロインはシュヴァルツコップのウィーン国立歌劇場時代のメインの役でした。『ばらの騎士』でもゾフィを歌っています。またベルリン時代のオペレッタ録音からも若き日のシュヴァルツコップの歌声が味わえます。ここには比較的若い頃の珍しい録音を集めている。SPレコードでも発売された、彼女の歌うヴィオレッタ、ムゼッタ、蝶々さん、ルイーズなどはいずれも貴重。聴くからに愛らしく可憐な少女であるグレーテルに「眠りの精」をはじめ、リュウ、蝶々さんにミミといった悲しい運命につつまれたヒロインたち、それにこれもご存じ『椿姫』のヴィオレッタ。そして『ばらの騎士』のゾフィ … といった有名オペラの若い娘役のアリアとか2重唱がならんでいます。ここに聴くシュヴァルツコップ若き日の歌声は、あくまでも愛らしく、ひたすらチャーミングに訴えて、ときにはその歌の一音一語の中に、自らを律する思いの強さを感じさせるといった歌唱なのではないでしょうか。と同時に、若い初々しさの中にもキラリと輝くものを秘めている歌のひとふしであると思います。1953年に、英コロムビア・レコードのプロデューサー、ウォルター・レッグはシュヴァルツコップのマネージャーと音楽上のパートナーとなり、EMIとの専属録音契約を交わした初期の録音群は二人の思い出深いもの。つまり、これらは、いわば〝歌の女王シュヴァルツコップ〟を不動にする直前を聴くアリア集なのです。
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