「 FR DGG 2531 262 ヘルベルト・フォン・カラヤン アンネ=ゾフィー・ムター マーク・ゼルツァー ヨーヨー・マ ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 ベートーヴェン 三重協奏曲」を通販レコードとしてご案内します。
秘蔵っ子ムターの成長のために ― ヘルベルト・フォン・カラヤンの録音で一番充実しているのは1970年代後半から80年代前半の録音。「ベルリン・フィルを使って残しておきたい」と念願込めて再録音の多いチャイコフスキー、ドヴォルザーク、ベートーヴェンと1970年代の演奏は緊張感が違うと思う。円熟してカラヤン節の極みとでも言える。レコード録音の壺を先天的に把握していたカラヤンのオーケストラの鳴らしっぷりは、ダイナミック・レンジが非常に大きい。ノイズに埋もれないレコード録音の理想を手に入れて弱音部では繊細きわまりない音楽を作り出し、強奏部分では怒濤の迫力で押してくる。その較差、落差と云ってもいいのかな、他の指揮者ではなかなか見られないカラヤン流の演出。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の迫力も頂点に達している。個々の楽器が当然のように巧いし、全体がよく揃っている。アンネ=ゾフィ・ムターもカラヤンの意図を良く理解している。カラヤンの教えに忠実に弾いているのか、2人共に同じ目標を目指していたからか、現在のムターのスタイルも延長線上にあるのでカラヤンの美点を吸収したのかもしれない。カラヤンはこれ以前にスビャトスラフ・リヒテル、ダヴィッド・オイストラフ、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチという凄いメンバーと録音しているが、時代も変わり顔ぶれは変わったけど、まぁメンバー的には凄い!?と言っていいのかも知れません。カラヤンの秘蔵っ子ムターは十代前半からカラヤンと共演を重ね、数々の名協奏曲を録音してきました。カラヤン・マニアの私もつられて彼女の LP/CD を何枚か購入しました。可憐さが先立ってたモーツァルト。カラヤンの胸に上手く乗り込み、胸に潜りこんだなと感じたメンデルスゾーンとブルッフ。アイドルの成長を楽しむように、以来かかさず ― カラヤンの死後は唯一位牌を受け継いでいる真に秘蔵っ子だったなと ― 追っかけるように聴いています。リベルタンゴでクラシック音楽に日頃親しみが無かった層にも極めて高い評価を受けているチェリスト、ヨーヨー・マとの共演も、カラヤン指揮ベルリン・フィルのネームバリューあってこそ、このレコードは現在のムターの重大事だと思います。マにも影響を与えたと思いますが、秘蔵っ子ムターの成長のために取り計らわれたような、このアルバムは、そうしたカラヤンの特質と魅力が十全に発揮された一枚ともなっています。… 反面、アンチ・カラヤンを増やしたきっかけにも成ったでしょうが。録音状態自体は悪くはないが、オーケストラの響きが重い … カラヤンの演奏というよりは、録音エンジニアの問題の様な気がします。ただ、第2楽章は絶品。盤・ジャケット共に状態は良いので、カラヤン好きにはオススメの1枚。 … 念を押しますが、ベートーヴェンの三重協奏曲の面白さがわかるようになってから聴きましょう。音場はワンポイント録音のような広がりがあり、ドイツ・グラモフォンらしい切れもある。初期のデジタル録音の良さが出た優秀録音盤と言っていい。
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