GB DECCA LW5098 キャスリーン・フェリアー ジョン・ニューマーク フィリス・スパー SCHUBERT AND SCHUMANN RECITAL(10インチ盤)

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34-23101

商品番号 34-23101

通販レコード→英ED1盤10㌅[オリジナル]

世紀の邂逅があったればこそ存在する貴重な記録 ―不世出のコントラルト、キャスリーン・フェリアー(Kathleen Ferrier)は生え抜きの歌手ではなく、技術面では満点とは云えないが、心の奥底まで届く歌声の深さでは空前絶後である。誰がつけたあざ名か「〝普通の〟ディーヴァ」とは言い得て妙。1912年4月22日にイギリスのランカシャー州プレストン生まれの貧しい田舎娘は、14歳で学校を終えるとブラックバーンで電話交換手の職に就いて日々の生計を立てていた。23歳の時に金持ちのバンカー、バート・ウィルスンに見初められ、やがて好きだった音楽で身を立てようとコンクールに出る。地元のコンクールで受賞経験もあったことから自信はあった。ところが得意だったピアノではなく、余技のはずのコントラルトのボーカルでロンドンの聴衆のみならず全世界のクラシック愛好家から女神と崇められる ― 地母神と敬われるようになるのだから、運命とは皮肉なものだ。ブルーノ・ワルターやオットー・クレンペラー、エイドリアン・ボールト、ジョン・バルビローリ、マルコム・サージェント、ヘルベルト・フォン・カラヤン、エドゥアルト・ファン・ベイヌム、ベンジャミン・ブリテンら錚々たる指揮者達が賛美を惜しまなかったその歌唱は実に素晴らしく、独特の美しい艶ののった声質で豊かなコントラルトの響きを獲得した声は常に見事な水準に達していました。聴く者の胸の奥に飛び込んでくる一度聴いたら二度と忘れられない、低く、柔らかく、優しい声に、すべての人のお母さんのように懐かしい声音であったことである。エリーザベト・シューマン、ロッテ・レーマンの後継として、ドイツ・リートの第一人者の位置に立ち、また美貌を兼ね備えたオペラのプリマとして活躍したエリーザベト・シュヴァルツコップはドイツ語の正確なディクションと抑えめがちな表現、そしてやや深みのある美しい声で、力業にはよらなくとも圧倒的な存在感を示しました。フェリアーはドイツ語のディクションには幾分問題が残るし、決してシュヴァルツコップのような音楽的教養と解釈力をうかがわせる存在ではないと思うが、もって生まれた声の美しさと音色表現の豊かさで聴き手をその世界に引きつけて離さない。これらの作品が求めた声質とは異なるのだが、深々とした祈りの様なフェリアーの歌唱は聴く者を包み込む。ブラームスが全て素晴らしく、「アルト・ラプソディ」や「四つの厳粛な歌」のたとえようもない深みもさることながら、イギリス民謡や小唄の類で聴かせる懐かしい遠い世界は、他の誰が聴かせてくれるだろうか。フェリアーの本当に優れたレパートリーはバロック音楽とイギリスの歌曲である。素朴であればあるほどフェリアーの声は犯し難い神聖さを帯びる。まるで、放課後の音楽室から歌声がきこえてきて、窓からのぞくと可憐なお嬢さんが歌の稽古をしている光景が思い浮かんでくる。フェリアーの歌を聴くと、そんな気持ちにさせられます。だから、大指揮者たちに愛され、早世したにもかかわらず今尚愛顧されるのだ。物悲しくも厳粛な歌声、高いレベルの音楽的才能。深く響く声を持つアルト歌手として、世界的名声を博したフェリアーは、1953年10月8日に乳がんのため41歳の若さでロンドン大学病院で没しています。英デッカのカリスマ・プロデューサー、ジョン・カルショーもその著で「単純さと正直さこそが本質であるこの歌に、キャスリーンは苦もなく生命を吹き込むことができたのだった」と大絶賛しています。歌のスタイルも感情に流されない清冽なもので、マーラーでもバロック音楽でも、作品の味わいが自然に滲み出るかのような気品ある歌唱には、様式を超えた特別な魅力が備わっています。遅咲きかつ短命の歌手であったフェリアー。彼女の歌が持つ繊細なドラマ性やフレーズ感を味わうには、歌曲こそがふさわしいと思う。現代の耳には一聴、細かなビブラートが気に障るかも知れない。が、聴き進めるにつれ、その質感の良さに魅了されるだろう。さて、レコードにはドーナツ盤と日本では呼ばれることの多い7インチ(EP)と12インチ(30cm)のLPレコードの間に10インチ(25cm)盤と呼ばれるレコードがあります。収録分数は12インチより少なく、片面15分程。中途半端なサイズと言えますが、何故故このレコードがかつて存在したのでしょう。78回転SP盤の名残で10インチレコードは、かつて使われていたSP盤と同じサイズです。10インチLPレコード、クラシックファンは「トーインチ」と呼び、ジャズファンは「テンインチ」と呼ぶようですが、所謂30センチLPレコードが世に出る前に登場した25センチLPレコードです。1950年代から1960年代前半まで発売されていたようです。クラシックにしろジャズにしろ、30センチLPの中には25センチLPで出ていたものを編集仕直して発売されたものがあり、そうすると25センチLPの方がオリジナル初出盤という事になります。10インチがオリジナルで12インチサイズのLPは後発の編集盤というケースも少なくなく、またLPのために再セッションしなおしたケースも有り、其の儘10インチ盤だけで発売を終えた盤も多くレア盤も多数存在します。

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