「 GB COLUMBIA CX1231 マリア・カラス トゥリオ・セラフィン フィルハーモニア管 オペラ・アリア集 Sings Operatic Arias」を通販レコードとしてご案内します。
ソプラノとして最高の時期にいた唯一無二のディーヴァによる名唱。 ― 波瀾万丈な歴史的歌姫マリア・カラス。肥満児だった少女時代、母親に励まされ、ラジオのアマチュア・コンテストで幾つも賞を取り、音楽界での栄光を夢みながら、その賞金をオペラの台本や歌のレッスンにまわしていた。カラスの生涯は、みにくいあひるの子が白鳥となり、歌に生き愛に生きたと言えるのではないでしょうか。オードリー・ヘプバーンのようなポートレイトで、スタイルの良い美貌のディーヴァとしてカラスを記憶している方には驚きでしょう。彼女の母親は自分に達成できなかったことを娘に託し、美声は脂肪をつけないと育たないという俗説に従い、娘の声に栄養を与えるためにケーキや砂糖菓子など甘いものをなんでも与えた。デビュー当時は、一般的なオペラ歌手のイメージと同じく巨体のまま卓越したテクニックを生かし華々しく活躍したカラスでしたが、ルキノ・ヴィスコンティの助言を受けて猛烈なダイエットを開始。1953年から54年にかけて体重を30㎏も減らしスリムなスタイルを手に入れたが、それと引き換えにしたものは大きい。過度なダイエットや数々のスキャンダルにより疲労困憊、歌手活動のほうに支障がでてしまい、華々しいキャリアはわずか10年足らずで終わってしまった。艶のある美声を失った彼女は、激情的な歌唱に転進。カラスを聴く時は、そのどちらもの時代を楽しめるのですが短いキャリアは音質的に恵まれず、鮮烈的な歌唱はモノラル録音で聴くしか無い。オペラのためには全てを犠牲にしたカラスは性格の強さもあって絶えず人間関係でトラブルが多く、生前のカラスはオペラ界での輝かしい経歴と裏腹にキャンセル魔、傲慢、スキャンダルの女王、とマスコミをはじめ音楽評論家、心ないファンから批判され続けました。しかし、カラスほど真摯に音楽=オペラと向き合って生きた歌手は他に知らない。メトロポリタン歌劇場の辣腕支配人は舞台で歌わない時のカラスの凄さを賞賛しています。事前の周到な準備と舞台への集中度は余人の追従を許さないものがありました。カラスにとっては舞台が全てでした。優れた才能の存在があっても、現代は雑念が周りに多すぎるためとも言い得る。彼女はクラシックの世界に生きた人だが、その記憶のされかたはポップ・スターに近いところがある。クラシック通以外にも名前を知られ広く聴かれた点では、ポピュラーな歌手だったのだ。自身の才能を誇り、正直に演じるということに徹底した。そうした彼女の生身の人間ドラマとして聴く者の心に迫る表現力は、レコードを通してカラス没後も多くの人に伝わり新たなファンを獲得している理由なのではないか。カラスは豊かな美声に恵まれた幸せな歌手と言うよりも、まず演じることの天才であったらしい。カラスによって演じられるヒロインは、現実の生きる人間として存在する。名匠トゥリオ・セラフィンの指揮の下、本盤など正に、カラスの変幻自在な表現は他の追随を許さないと思えるほどだ。コロラトゥーラ向きではないカラスの声だが、圧倒的な表現力とテクニックでこなしていくカラス絶頂期の録音。
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