「 DE EMI 1C157 10 0031 オットー・クレンペラー フィルハーモニア管弦楽団 ゲッダ ヤノヴィッツ ベリー ポップ シュヴァルツコップ ルートヴィヒ モーツァルト 魔笛(全曲)」を通販レコードとしてご案内します。
モーツァルトの音楽を再構成しシンフォニックな《魔笛》に結実している、レコードだからこその芸術 ― 名プロデューサー、ウォルター・レッグの置き土産 ― 1964年3~4月、ロンドンのキングスウェイ・ホールでのセッション録音。ご存知の方も多いと思いますが、舞台の無いレコードでは必要無いと、この「魔笛」にはセリフがない。セリフ部分に役者を起用しているレコードも多い中、台詞を全部カットした結果、切れ目無くモーツァルトの音楽が連続することとなり、それぞれの曲が息抜きなしに聴き手に迫るのが実に魅力的。通常コミカルな《フムフム…》といった曲でさえ、実に美しい響きと複合的な構造を持つことを如実に知らしめてくれるあたり、まさに比類がありません。音楽的にこれだけ充実した「魔笛」があるだろうか?このオペラ《魔笛》は、第一幕の〝夜の女王側=善〟、〝ザラストロ側=悪〟が、第二幕で逆転することで辻褄があわないのをミステリーと、しばしば表面的なものだけで面白おかしく説明しているものに出会いますが、ユダヤ人指揮者の演奏で聴くことで、あなたが第三の視点であることを気づかせてくれます。さて、このレコードにも録音に纏わる顛末があります。それは、ウォルター・レッグの音楽プロデューサーとしての経歴に悲しい終りとなったのです。〝新しいステレオの魔笛〟をイギリスEMIでは以前から企画していた。当初よりオットー・クレンペラーの指揮で計画中であり、3月24日イースターの休日の前に最初のセッションを、ロンドンのキングスウェイ・ホールで行う予定だった。ところが、それに先立つ1963年6月レッグは自分が1年後に引退すると、会社(EMI)へ通知していた。そして、1964年3月、レッグは突然フィルハーモニア管弦楽団を解体すると、プレスへ声明を出す。〝新しいステレオの魔笛〟計画が実行される直前のことだ。クレンペラーはオーケストラの解体の件で怒り、レッグにイースター休日明けのピアノリハーサルには顔を出すなと言った。さらに怒りの電報が行き来し、ついにはレッグはクレンペラーが指揮している建物には足を踏み入れないと宣言した。同時にレッグはEMIへもはやこれ以上仕事ができないと伝えてきた。この〝新しいステレオの魔笛〟は3人の童子を児童合唱でなく、アグネス・ギーベル、アンナ・レイノルズ、ジョセフィーヌ・ヴェセイが歌っていることや、第1の侍女をエリーザベト・シュヴァルツコップが歌っていることも特筆が必要。ところが、マダム・シュワルツコップは今まで夫、つまり、レッグ以外のプロデューサーの下で録音をしたことがない。
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