「 DE DGG 2532 057 クラウディオ・アバド ロンドン交響楽団 ムソルグスキー 展覧会の絵 ラヴェル ラ・ヴァルス」を通販レコードとしてご案内します。
斬れ味鮮烈。 ― 39歳で早世した親友の画家・建築家、ヴィクトル・ハルトマンの遺作展から得た霊感がよほど強かったのか、遅筆の作曲家で知られるムソルグスキーが異例の早さで書き上げたピアノ独奏のための組曲を、管弦楽の魔術師ラヴェルが管弦楽曲にして有名になった《展覧会の絵》。ピアノ曲の序曲でしかない「プロムナード」の旋律を、ラヴェルは様々な楽器の組み合わせで各曲の間で再び登場させて、会場を移動しながら変化していく心情を音楽に表現している。共感したラヴェルが盛り込んだアイデアは編曲の粋を出ていて、この名曲は共作と言ってもいいでしょう。そのアイデアが世界のオーケストラ、指揮者にインスピレーションを与えて解釈も様々、ムソルグスキーの生前は演奏も出版もされなかったのに、有名盤は数多く、なかでも本盤はラヴェルの魔術を忠実に音にした名盤です。作品のもつ民族的色彩と独特のリズムを明快に表現することで、ロシア音楽の大きな流れを感じさせる名演奏が実現した。イタリアの人、クラウディオ・アバドの指揮者人生は、まさに輝きに満ちたものだった。ロンドン交響楽団からウィーン国立歌劇場音楽監督を経て、ほどなくして、ベルリン・フィルハーモニー芸術監督に就任。そのベルリン・フィルハーモニー管弦楽団でも《展覧会の絵》の録音があり、そちらの方が良く聴かれているようですが。あなたにとってアバドの音楽はミラノ・スカラ座、シカゴ交響楽団、そしてルツェルン祝祭管弦楽団で聴かせてくれた音楽でしょうか。その心底音楽を指揮を楽しむ表情に生命の根源の活力は生涯一貫していたことをアバドの録音からは感じられるので、どれが良いかは断じませんが英Deccaに録音した、ヤナーチェクの《シンフォニエッタ》(1969年盤)でのアバドの得意な歌うピアニシモ、その反面のダイナミクスの幅の大きさ。たたみかけるような迫力や抜群なテンポ感が、この《展覧会の絵》に共通して言えます。それまでのアバドの代名詞だったロシア音楽。アンサンブルは優れており、ブラスの充実は申し分なし。トランペット・ソロの堂々とした「プロムナード」に続く「小人(グノーム)」の斬り込むような弦楽器の扱いなどは、まさに当時のアバドの指揮流儀。ムソルグスキーの音楽に正面から本腰を入れて立ち向かっているので、思わず息を呑む場面もありました。全体に渋い音調で実に鮮烈な印象を記憶に残すでしょう。一方、ラヴェルの《ラ・ヴァルス》は遊び心を幾らか持ったもの。アバドはロンドン響とはラヴェルやドビュッシーといったフランス音楽も好んで取り上げていました。アバドの指揮にあった意欲的、挑戦的なアプローチは、こちらでも健在。ロンドン響の演奏能力を最大限に開花させた演奏の一つがこの《ラ・ヴァルス》と言えます。
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