NL PHILIPS 412 128-1 ピーナ・カルミレッリ イ・ムジチ合奏団 ヴィヴァルディ 調和の幻想 Vivaldi L’estro armonico

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34-23859

商品番号 34-23859

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旋律の歌わせ方に愉しさと親しみがあふれ、しかも颯爽とした若々しい。 ― イ・ムジチ合奏団2度目の全曲録音。この合奏協奏曲集は、《調和の幻想》とか《調和の霊感》とかいわれるが原題は《L’estro armonico》ですが実際はヴァイオリン協奏曲集で練習用として有名なものも何曲か含まれています。ヴィヴァルディの明るい音色の向こうに、イタリアの青い空が見えるような錯覚を覚える。ヴァイオリン練習曲としてもお馴染みの第6番、映画のテーマ等に何度か用いられた第8番と10番。何度聞いても心が和みます。さすがヨハン・ゼバスティアン・バッハが好んだ大先達の音楽だけのことはある、バッハは、この曲集のうち第3番、9番、12番をチェンバロ独奏用(BWV978、972、976)に、第8番、11番をオルガン独奏用(BWV593、596)に、第10番を4台のチェンバロと弦楽合奏のため(BWV1065)に編曲した。そしてこれらの曲の素晴らしさは、若き日のバッハがこの曲集の多くをオルガンやチェンバロのために編曲していることからも、うかがい知ることができます。この全12曲の中では第11番がもっとも有名であり、形式としては3楽章形式の「2つのヴァイオリンとチェロのための協奏曲」と見るか、5楽章形式と解される「コンチェルト・グロッソ」と見るかは演奏者の解釈にゆだねられる面白さがある。そして、この作品が何故に有名かと言えば、バッハがこれを「オルガン協奏曲第5番ニ短調 BWV596」に編曲しているからです。とくに「Largo e spiccato」と記されたシチリアーナに関してはバッハはほとんど手を加えていないそうです。後期イタリア・バロック最大の巨匠ヴィヴァルディは『四季』があまりにも有名ですが、彼の膨大な作品群のなかでも最大傑作といわれるのが《調和の霊感》です。ヴィヴァルディが創出したリトルネロ形式による急速楽章を持つ、急 ― 緩 ― 急の3楽章形式による独奏協奏曲の様式を確立した画期的作品といえる。一方、第7番、11番にはコレッリ以来の合奏協奏曲のスタイルも残っている。1、2、4人のヴァイオリン独奏用協奏曲が各4曲ずつ計12曲から成っており、どの曲も明るく優美な曲想を持つ、イタリア・バロックの魅力のすべてを含んだ協奏曲集といえましょう。そうは言っても、協奏曲集『四季』を含む『和声と創意への試み 作品8』からすると、どうしてもっとメジャーにならないのかが不思議です。イ・ムジチ合奏団演奏による1962年録音盤は、フェリックス・アーヨの後を継ぎ、1967年から1972年までコンサートマスターを務めたロベルト・ミケルッチ(Roberto Michelucci, 1922.10.29〜2010.11.13)の華やかな音色が際立った演奏でした。本盤は1984年発売。1949年にはボッケリーニ五重奏団、1954年にはカルミレッリ弦楽四重奏団を創設し、ヨーロッパ各地で演奏活動や録音を行った、ピーナ・カルミレッリ(Pina Carmirelli, 1914.1.23〜1993.2.26)が1973年から1986年までコンサートミストレスを務めていた時代の、イ・ムジチ合奏団によるデジタル録音。イ・ムジチ合奏団もカルミレッリの時代になって、古楽奏法の影響を受けてか響きが和らいだ反面、鮮烈な印象は薄らいできました。この12曲からなる作品3の協奏曲集は、独奏ヴァイオリンの数による配列に特徴がある。「4-2-1」を繰り返す形で配列され、しかも「長調 ― 短調」の配置の規則性もある。ただし、最後は短調 ― 長調と逆に配置され、優雅な雰囲気とともにイタリアの明るい太陽を感じながら終結します。そしてこれらの曲は、作品集としての全体バランスのとれた素晴らしい曲。疲れた現代人を癒すのは最も適切な曲と思う。ヴィヴァルディの特徴ともいうべき1曲1曲じっくり聴くととてもいい曲なのですが、12曲の中からどれか1曲というといまいちはっきりしない不思議な世界。ヴィヴァルディは異形の作曲家です。と言ったら驚かれるでしょうか。ヴィヴァルディと言えば「四季」が真っ先に思い浮かび、そこには「認知度」が伴って非常に高いのですが、それではヴィヴァルディの作品で「四季」以外の作品を一つあげてくださいと言われれば大多数の人は答えに窮するでしょう。「ラ・ストラヴァガンツァ」と応える人があったら、跳びかかって抱きしめてるでしょうが、そのとき、もしかしたら、ヴィヴァルディって「四季」だけの一発屋だったのかという思いをもたげさせたら困ります。しかしながら、彼がその生涯に残した作品は残っているものだけでも多種多様な楽器を用いた室内楽作品や協奏曲、さらにはシンフォニアや歌劇、宗教作品に至るまで、途轍もなく幅広いものです。そして、音楽というものの本質の一つが聴くものの心を楽しませる「娯楽」という側面を持っていることは否定できない事実ですから、わたしはヴィヴァルディこそはモーツァルトに繋がる偉大な音楽家の一人だと確信しています。《調和の幻想》作品3に直接コレクトするならイタリア合奏団盤をファースト・チョイスします。イ・ムジチ合奏団盤はセカンド・チョイスか、定番ですが、ミケルッチ盤を聴きこんだ上でなら、カルミレッリ盤は輝きが増します。何といってのヴィヴァルディの本質は興業屋ですから、受けてなんぼと言うことを知り尽くしていた人でしたから、「娯楽」性に軸足を置いた2種類のイ・ムジチ合奏団盤を聴いて、結構ニヤリと笑うかもしれません。

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