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透明感のある音色とクリアなタッチによる、考え抜かれたブッフビンダーのベートーヴェン ― ウィーンを中心に世界中で活発な活動を展開しているピアニストのルドルフ・ブッフビンダーは、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏をライフワークとしている。録音のみならずステージでも全曲を取り上げている。日本にもたびたび来日を重ね、2013年秋の来日公演では、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲の弾き振りを披露し、その円熟のピアニズムは各紙誌で絶賛を受けました。ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集は、ソニー・クラシカルへの2010~11年ライヴ録音盤が高い評価を得ていますが、まだ30歳台で録音したテルデックへの全集は、セッションということもあって、細部の仕上げの精度が驚異的なレベルに達しており、なおかつ時代様式を鑑みた説得力のあるスタイルが常に維持されるなど、当時のブッフビンダーにしかできなかった完璧な演奏が多くのピアノ・ファンの心を掴み、世界的にも高い評価を獲得していたものです。ソナタには18以上の印刷譜が存在していますが、自筆譜は意外と残っていません。リストは最高のピアニスト&作曲家であり、ベートーヴェンを崇拝してその楽譜を校訂しましたが、彼なりの楽譜への大がかりな書き込みによって、毎回違った弾き方になってしまうほど、アイデアが楽譜に刻まれています。ブッフビンダーがプレス・インタビューで語っていますが、本人は一つ一つの音符、休符、フレーズ、強弱、リズムなどをこまかく研究し、少しでも作曲家の魂に寄り添う演奏をしたいと云っているようですが、この選集を聴くと有言実行であることがよく分かります。
ベートーヴェンの32曲の中には彼の生活の全てが内包されています。そこには、女性への報われない恋心も、パトロンへの感謝の気持ちも見て取ることができます。ブッフビンダーのこのときの取り組みは、ソナタ全集だけでなく、変奏曲やバガテルなども含む〝ピアノ作品全集〟であり、有名なソナタ全集での演奏の傾向は、変奏曲やレアな小品の場合にはより大きな説得力を持つこととなり、作品の姿を正確に示したそのクオリティの高さには以前から定評がありました。楽器は、スタインウェイ。→コンディション、詳細を確認する
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