「 デ・ラローチャのモンポウ/ピアノ作品集 GB DECCA 410 287-1 STEREO デジタル」を通販レコードとしてご案内します。
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―6月30日―スペインの作曲家、フェデリコ・モンポウが没した日(1987)。ドビュッシーやサティに影響を受けながら、原始主義的な作品も試みた。

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GB DECCA 410 287-1 アリシア・デ・ラローチャ(ピアノ) モンポウ/ 内なる印象、前奏曲(ラローチャに捧ぐ)、密やかな音楽 第4集、 歌と踊り
- ヴィンテージレコード→英/シルバーレーベル, 1983年の優秀録音。
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プロダクト・ディテール(ヴィンテージ盤)
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演奏者アリシア・デ・ラローチャ
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作曲家フェデリコ・モンポウ
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曲目
- 内なる印象、前奏曲(ラローチャに捧ぐ)
- 密やかな音楽 第4集、 歌と踊り
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録音年1983年
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レーベルDECCA
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レコード番号410 287-1
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録音種別STEREO DIGITAL
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製盤国GB(イギリス)盤
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レーベル世代シルバーレーベル
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絢爛たる情熱の彼方に――ラローチャが照らす、モンポウの『静寂のショパン』
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- アリシア・デ・ラローチャの芸術を語るとき、多くの人はまず、スペイン音楽の第一人者という肩書きを思い浮かべるでしょう。しかし、その芸術の核心へ近づくには、あえて一枚のショパンを経由してみることが近道になります。
1974年、ロンドンで録音されたショパン《24の前奏曲》。彼女の膨大なディスコグラフィの中でも、ショパンのソロ作品は驚くほど少なく、この録音はまさに例外的な存在です。そして、その数少ないショパンを耳にしたあとで、本盤――1983年にデジタル録音されたモンポウ作品集へ向かうと、一見まったく異なる二人の作曲家が、ラローチャというひとりのピアニストの内部で、ひとつの美学として結び付いていることに気付かされます。
ショパンの《24の前奏曲》は「二十四の小宇宙」であり、モンポウの《前奏曲集》や《歌と踊り》は「静寂の宇宙」です。規模も語法も異なる世界でありながら、ラローチャは同一のピアニズムによって、その両方へ生命を吹き込んでいます。
まず心を打つのは、**骨太な低音が支える肉声のデクラマシオン**です。
ラローチャのショパンには、いわゆるサロン風の甘美さがありません。第4番、第6番、第15番《雨だれ》などで聴かれる左手の低音は、旋律を支える伴奏ではなく、大地そのもののような存在感を備えています。深く、豊かで、決して濁らない低音があるからこそ、高音域の歌は肉声のような温もりを獲得します。
その美質は、モンポウではさらに意味を深めます。
モンポウが幼い頃から耳にしていた、カタルーニャの教会の鐘。その記憶を思わせる低音の響きを、ラローチャはショパンのバスとまったく同じ誠実さで鳴らしています。上声部がどれほどか細く、囁くようであっても、その下には決して揺るがない響きの土台がある。この安定感こそが、モンポウの静けさを単なる虚無ではなく、「温もりを持つ静寂」へと変えているのです。
第二の共通点は、**引き算のルバートが生み出す密やかなノスタルジー**にあります。
激しく情熱を噴出させるタイプのショパンとは異なり、ラローチャは一つひとつの前奏曲を短い詩として語ります。テンポを大きく揺らすのではなく、ほんの一瞬だけ歩みを緩める。その「引き留められた時間」のなかで、ショパン特有の深い憂愁が静かに立ち上ります。
この語るようなルバートは、そのままモンポウへ受け継がれます。
モンポウ自身が「ひそやかな音楽」と呼んだ世界には、小節線さえ曖昧になる自由な時間が流れています。ラローチャは音符の長さを変えるのではなく、「いつ音を置くか」という絶妙な間合いによって、楽譜に書かれていない沈黙を響かせます。
沈黙は停止ではありません。
それは次の一音を迎えるために呼吸する時間であり、その呼吸があるからこそ、音楽は決して歩みを止めることなく、静かな推進力を保ち続けます。
そして第三の美質が、**多色刷りの和声感――ポスト印象主義への視線**です。
ラローチャ自身はモンポウの音楽を「神秘的で、ポスト印象主義的、そしてロマンティック」と語っています。その言葉どおり、彼女にとってショパンとモンポウは決して断絶した存在ではありません。
ショパンの《24の前奏曲》は、単なるロマン派作品ではなく、のちの印象主義へ続く和声実験の宝庫として演奏されています。一音一音のボイシングは驚くほど精密で、和音は単なる厚みではなく、多色刷りの版画のように幾層もの色彩を帯びて耳へ届きます。
その色彩感覚は、本盤ではさらに純化されています。
《前奏曲(ラローチャに捧ぐ)》をはじめとする作品では、一つの和音が鳴ったあと、その余韻が水面へ一滴の絵の具を落としたように静かに広がってゆきます。デジタル録音ならではの静寂の透明度も、この微細な残響の変化を余すところなく捉え、ラローチャが設計した音色の階調を鮮やかに浮かび上がらせています。
こうして聴き終えたとき、ひとつの確信に至ります。
ラローチャのモンポウは、彼女のショパンの「鏡」なのです。
ショパンによって彼女は、ピアノという楽器が秘める最も繊細な歌心を磨き抜きました。そして、その洗練された歌心を携えてモンポウの静寂へ足を踏み入れたからこそ、この演奏は単なる沈黙の音楽には終わりません。
そこには、人の息遣いがあり、教会の鐘の余韻があり、遠い故郷を慈しむ祈りがあります。
1983年のデジタル録音によって刻まれたこの演奏は、静寂を描いた作品集である以上に、「ショパンの魂を受け継いだ祈り」の記録なのです。
このモンポウ作品集を深く味わいたいなら、その前にラローチャの《ショパン:24の前奏曲》へ耳を傾けていただきたい。そこには、後年モンポウの静かな宇宙を描き出すために彼女が磨き上げた筆遣いと、響きを染め分けるための繊細なパレットが、すでに鮮やかに息づいているのであります。
- アリシア・デ・ラローチャの芸術を語るとき、多くの人はまず、スペイン音楽の第一人者という肩書きを思い浮かべるでしょう。しかし、その芸術の核心へ近づくには、あえて一枚のショパンを経由してみることが近道になります。
- CDと参考本はアマゾンで購入できます。
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ラローチャ(アリシア・デ)ポリドール1997-05-25
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ラローチャ(アリシア・デ)BMGビクター1994-09-21
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ラローチャ(アリシア・デ)BMG JAPAN2007-11-07
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Alicia De LarrochaRCA Red Seal2014-02-25
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ラローチャ(アリシア・デ)ポリドール1986-05-25
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ラローチャ(アリシア・デ)ポリドール1999-10-14
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ラローチャ(アリシア・デ)BMGメディアジャパン1999-05-21
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RCA2001-09-11
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De LarrochaPolygram Records1992-03-10
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