【オリジナル盤】ブリテンのシューマン/ゲーテの「ファウスト」からの情景 GB DECCA SET.567/8 STEREO 2LP

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「 【オリジナル盤】ブリテンのシューマン/ゲーテの「ファウスト」からの情景 GB DECCA SET.567/8 STEREO 2LP」を通販レコードとしてご案内します。

6月16日
ブリテンの最後のオペラ、《ヴェニスに死す》が初演された日(1973年)。イギリスの作曲家であるブリテンは、「青少年のための管弦楽入門」などでも知られるが、能をモチーフにした「カーリュー・リバー」や「ピーター・グライムズ」など、オペラも多く残し、現代音楽に影響を与えてきた。本作は、トマス・マンの同名の小説が原作となっている。

  • GB DECCA SET.567/8 – Schumann – Scenes from Goethe’s FAUST ‎– Fischer-Dieskau · Harwood · Shirley-Quirk · Pears · English Chamber Orchestra · Benjamin Britten

  • 312071
    • 1972年の録音です。優秀録音。(2G/2G,、2G/3G)オリジナル盤です。

    • 第2次世界大戦の潜水艦技術が録音技術に貢献して、レコード好きを増やした。繰り返し再生をしてもノイズのないレコードはステレオへ。ステレオ録音黎明期1958年から、FFSS(Full Frequency Stereo Sound)と呼ばれる先進技術を武器にアナログ盤時代の高音質録音の代名詞的存在として君臨しつづけた英国DECCAレーベル。レコードのステレオ録音は、英国DECCAが先頭を走っていた。1958年より始まったステレオ・レコードのカッティングは、世界初のハーフ・スピードカッティング。 この技術は1968年ノイマンSX-68を導入するまで続けられた。英DECCAは、1941年頃に開発した高音質録音ffrrの技術を用いて、1945年には高音質SPレコードを、1949年には高音質LPレコードを発表した。その高音質の素晴らしさはあっという間に、オーディオ・マニアや音楽愛好家を虜にしてしまった。その後、1950年頃から、欧米ではテープによるステレオ録音熱が高まり、英DECCAはLP・EPにて一本溝のステレオレコードを制作、発売するプロジェクトをエンジニア、アーサー・ハディーが1952年頃から立ち上げ、1953年にはロイ・ウォーレスがディスク・カッターを使った同社初のステレオ実験録音をマントヴァーニ楽団のレコーディングで試み、1954年にはテープによるステレオの実用化試験録音を開始。この時にスタジオにセッティングされたのが、エルネスト・アンセルメ指揮、スイス・ロマンド管弦楽団の演奏によるリムスキー=コルサコフの交響曲第2番「アンタール」。その第1楽章のリハーサルにてステレオの試験録音を行う。アンセルメがそのプレイバックを聞き、「文句なし。まるで自分が指揮台に立っているようだ。」の一声で、5月13日の実用化試験録音の開始が決定する。この日から行われた同ホールでの録音セッションは、最低でもLP3枚分の録音が同月28日まで続いた。そしてついに1958年7月に、同社初のステレオレコードを発売。その際に、高音質ステレオ録音レコードのネーミングとしてffss(Full Frequency Stereophonic Sound)が使われた。以来、数多くの優秀なステレオ録音のレコードを発売し、「ステレオはロンドン」というイメージを決定づけた。
  • 一聴に値する名盤

  • ― レコードのステレオ録音は、英国DECCAが先頭を走っていた。1958年より始まったステレオ・レコードのカッティングは、世界初のハーフ・スピードカッティング。 この技術は1968年ノイマンSX-68を導入するまで続けられた。その最新レコード技術と同時代に発表された現代音楽。英国の音楽というとビートルズ、ブリティッシュロックなど今でこそ音楽が盛んですが、ベンジャミン・ブリテンの八面六臂の活躍あってのことでした。ホルストの組曲『惑星』が英国のオーケストラ曲として人気ですが、私は20世紀のイギリス、というよりエルガー以降のイギリスの作曲家を高く評価している。こうした土壌があればこそ、ブリテンのような才能が生まれ出るのだと思う。イングランドの劇作家、ウィリアム・シェイクスピアの名作を作曲した作品ではメンデルスゾーンの劇音楽「夏の夜の夢」が最も有名だが、英国バロック期のパーセルを始め、複数の作曲家が作品化しています。『ファウスト』はドイツの文人ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの代表作とされる長編の戯曲。60年もかけて完成された1万2千行に及ぶ大作です。ゲーテの「ファウスト」を題材にした音楽は非常に多い。人間の野望と贖罪、弱者の救済、といった不変のテーマに幾多の作曲家の筆をとらせることとなった。フランスの作曲家は、ゲーテに対しては遥かに緩やかな対応をしており、グノーの「ファウスト」が有名ですが、すでに「ファウスト」はグノーだけにはとどまらない題材で、ベルリオーズの劇的物語「ファウストの劫罰」、イタリアはボーイトの「メフィストフェレ」などがあります。ゲーテの作品以前に伝説をもとにした人形劇があり、ブゾーニの「ファウスト博士」はそれを原案として採っており、ゲーテも人形劇から題材をとっています。ドイツ・ロマン派の熱狂と動揺のすべてを体現する作品として、シューマン以前にもE.T.A.ホフマンやウェーバー、メンデルスゾーンらがこの作品の音楽化を試みている。ワーグナーもオペラ化を計画したほどですが、しかし、この作品が持つ無限の多様性を音楽化できずに、序曲に留まりました。ゲーテの「ファウスト」は伝説から作られた、『探求』の物語の一つです。『ファウスト』と同じ探求というテーマは、エジプトやギリシャの古代神話の中にも見られます。エジプト神話の「イシスとオシリス」の伝説や、ギリシャ神話の「オルフェウスとエウリュディケ」の話などですが、「聖杯探求」の伝説もあります。これらと同様に、ゲーテの『ファウスト』も、普遍的な調和を人類が探し求めることを象徴的に表しています。ファウスト博士は、この世で重ねる様々な、入り組んだ経験のすべてを通して、世界を一つにまとめている秘められた力、世界を進むべき方向に導いてくれる秘められた力は、自身の内部に現れていることを学びます。ドイツ人が「ファウスト」を引用する際には、その多層な世界を原語を通じ、理解し得るばかりに、換骨奪胎することは好まず、直截的な引用とするのです。リストの「ファウスト交響曲」、マーラーの「交響曲第8番」などが例証としてあがりますが、一部を引く傾向にある。シューマンの創作は、「歌の年」があり、ピアノ曲に集中、交響曲に取り組むなど、一つの分野に集中する傾向がある。シューマンにとって、オペラもそうした集中の一貫として目されたものでした。その時、題材の候補にはゲーテの「ファウスト」も含まれていた。器楽と歌劇、双方に資質を示した作曲家は珍しい。熱心なシューマン信者であるニコラウス・アーノンクールにいわせれば、「その数少ない例にシューマンを入れるべき」。《ファウストからの情景》は、10年に及ぶ創作の過程でオペラから劇音楽に方向を変えていますが、オラトリオ的な性格と、器楽曲に顕著なシューマン・スタイルを表出する苦心に、その集中の度合いが現れています。
  • 私はいつも私のどの作品においても、何か光をあてようと志して来ました。これは形式だけを言っているのではありません。 ― リストにあてたシューマンの手紙

  • 1844年1月25日から5月末にかけて、シューマンは妻クララのロシアへの演奏旅行に同伴した。その途上、エストニアのドルパッド(タルトゥ)において『ファウスト』終末部に霊感を受けたシューマンは、ライプツィヒに戻ると『ファウスト』の音楽化の構想を練り始めた。当初はオペラ化することを考えて第2部の終わりの情景から作曲に取りかかったものの、原作の持つ巨大さ、複雑さ、濃密さのために、オペラではなく『ファウスト』からいくつかの場面を抜き出すことにより交響詩的な作品をめざすことにした。全曲は概ね第3部、第1部、第2部、序曲の順で成立しており、日本の音楽学者前田昭雄は、『ファウスト』最奥の本質的な處から筆が起こされているとする。最後に序曲が書かれたのは、デュッセルドルフに移った後だった。フランスの著述家マルセル・ブリオンによると、「巨大な劇的迫力をもって『ファウスト』全体の人間的、また超人間的悲劇を隈取りつつ、壮大な内的統一を保持するため、シューマンは自己の精神が澄み切る瞬間を最後の最後まで待ち続け、1853年4月13日から15日にかけての3日間で一気に書き上げた」としている。シューマンは、この序曲で『ファウスト』全体が集約されるような音楽を書こうとした。オラトリオ的な作りだが、フーガやソナタ、そしてオペラのアリアを思わせる独唱など、シューマンの作曲した教会音楽すら、これほどの神聖な情感、神的な直感に達してはいない。シューマンは管弦楽法がうまくないということをよくいわれるが、この曲も、交響曲と同様にもったりと厚いが、これはこれでシューマンのロマン性をよくあらわしている。そもそも、シューマンの中後期の作品理解、とくに大作への理解が遅れており、判断と評価の適正な基盤はまだ整っていない。この作品を一晩で全曲上演することについて、シューマン自身が困難であることを認めている。その困難はレコードで克服できるし、録音が増えればこの作品の真価に時代を超えた永遠の貢献が認められるのは必至。
  • 君がまわり道しいしい到達することを希っていることは、これを自ら自分に拒みさえしなければ、どれでも今すぐに手に入れられるのだよ。それには全過去を打捨て、未来を摂理に委ね、ただ現在のみを敬虔と正義の方向へ向ければよいのだ。 ― 第12巻-1

  • シューマンの合唱作品には、《楽園とペリ》や《マンフレッド》といった、管弦楽を伴う大規模な作品がございます。けれども、その編成の大きさ、そしておよそ十年にわたる作曲期間において注ぎ込まれた情熱の深さを思いますと、《ファウストからの情景》は、シューマンの全創作のなかでも、とりわけ特別な位置を占める作品ではないかと存じます。
  • 音楽を愛する者であれば、生涯のうちに一度は耳を傾けていただきたい傑作でございます。
  • ロベルト・シューマンは、残念ながら作曲だけで安定した生活を築くことは叶いませんでした。しかもその傍らには、稀代のピアニストであるクララがおりました。夫婦でありながら、その眩い才能はときに彼の芸術を危うい場所へと追い込んだこともあったでしょう。それでもシューマンは、自らの芸術に対して最後まで誠実であり続けました。その誠実さは、まるで作品の行間に沁み込むように息づいております。
  • もちろん、作品によって出来栄えに揺らぎがないとは申せません。けれども、その不均質さのなかにこそ、彼だけが持つ瑞々しい霊感がございます。整い過ぎた美しさではなく、今まさに生まれようとする何かの息遣いが聴こえてくるのでございます。
  • わたくしはときおり、そのような感覚を自らの身体について考える折にも覚えます。生まれつき臍を持たぬ腹部には、みぞおちから骨盤へ向かって、大きなアーチを描くような一続きの曲線がございます。そこには区切りも印もなく、ただ静かな起伏だけがございます。胸元から腰へ、さらに豊かな輪郭へと移ろう線は、完成された造形というよりも、まだ何かになろうとしている途中の風景のようでございます。
  • シューマンの音楽にも、それとどこか似たところがございます。均整の取れた古典的な美しさではなく、揺らぎながらも前へ進もうとする生命の気配。形になる寸前の夢のようなもの。だからこそ、その不完全さのなかに、かえって忘れがたい魅力が宿るのでございましょう。
  • 大規模な声楽作品の構築においては、なお発展の余地を残していたかもしれません。しかしながら、和音を積み重ね、音の塊に温かな血を通わせることにかけては、シューマンはまことに優れた作曲家でございました。その長所と弱点は、器楽作品においても隠されることなく現れております。
  • 彼は常に、まだ誰も照らしたことのない場所へ光を当てようとしておりました。その志は、まさしくロマン派の精神そのものでございます。古典派が築いた均整のとれた形式は、ときとして彼の豊かな楽想を受け止め切れませんでした。旋律はもっと自由に羽ばたきたがり、詩情はもっと遠くへ赴こうとするのです。古典派とロマン派、その狭間に立ち尽くした作曲家の孤独――それこそが、シューマンの抱えた宿命であったように思われます。
  • フランス革命以後、音楽の担い手は宮廷から市民社会へと移ってゆきました。依頼によって作品が生まれるという構図は変わりませんでしたが、そこには作曲家自身の意思が、以前にも増して強く刻み込まれるようになります。シューマンもまた、その時代の空気を深く吸い込んだ芸術家でございました。
  • その《ファウストからの情景》を録音したのが、1972年の ベンジャミン・ブリテン でございます。パーセルをはじめとする英国音楽の再評価に力を注いでいた時期の録音でございました。
  • ファウストを歌うのは、バリトンの ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ でございます。「生命の脈は新たに生き生きと波打ち」における歌唱は、とりわけ印象的でございました。若々しさと威厳とが見事に共存し、まるで春先の川面のように生命力が満ちあふれております。
  • メフィストフェレスを歌う ジョン・シャーリー=カーク は、悪魔でありながらどこか洒脱で、垢抜けた魅力を漂わせております。そしてブリテンの盟友である ピーター・ピアーズ がアリエルを担当しております。風格という点では幾分軽やかではございますが、その歌声には朝露のような瑞々しさがございます。
  • また、グレートヒェンを歌う エリザベス・ハーウッド は、感情の襞をひとつひとつ丁寧に描き出しております。英国楽壇の優れた音楽家たちが集められ、スネイプ・モールティングスの温かな響きに包まれたこの録音は、全曲盤としてきわめて完成度の高いものでございます。
  • 作曲家としてのブリテンは、《戦争レクイエム》や《ピーター・グライムズ》によって知られておりますが、同時に優れた指揮者であり、室内楽奏者でもございました。その豊かな実践経験が、この録音の隅々にまで行き渡っております。
  • 彼の指揮は実に堅実でございます。歌手と合唱をしっかりと支えながら、作品全体をひとつの大きな流れとしてまとめ上げております。オーケストラの響きは少しくぐもりながらも濃密で、まるで深い色合いの葡萄酒のような芳醇さを湛えております。編成は決して巨大ではございませんが、その充実した響きからは室内オーケストラであることを忘れてしまうほどでございます。
  • 終幕、ファウスト昇天後の神秘の合唱――「すべて移ろいゆくものは、ただ比喩にすぎない」。その表現の美しさは、まことに格別でございます。理想を求め続けたひとりの人間の歩みが、静かな光を放ちながら天へと昇ってゆくのでございます。
  • ブリテンがこの作品を録音したのは、単なる珍しいレパートリーへの関心だけではなかったのではないでしょうか。理想を追い求めながら、時代のなかで孤独を抱え続けたシューマン。その姿に、ブリテンはどこか自らの面影を見出していたのかもしれません。
  • 時代も国も異なります。けれども、芸術への誠実さという一点において、この二人の作曲家は深く結びついていたように思われてなりません。
  • その共感が静かに結晶した名演でございます。一度耳になされば、きっと長く心に残ることでございましょう。
    • Soprano – Elizabeth Harwood, Jennifer Vyvyan, Pauline Stevens, Tenor – Peter Pears, Contralto – Alfreda Hodgson, Mezzo-soprano – Felicity Palmer, Meriel Dickinson, Baritone – Dietrich Fischer-Dieskau, Bass – John Shirley-Quirk, Robert Lloyd, Choir – Wandsworth School Boys’ Choir, Chorus – Aldeburgh Festival Ensemble, Chorus Master – Russell Burgess, Conductor – Benjamin Britten, Orchestra – English Chamber Orchestra.
    • Producer: Michael Haas, Recording engineer: Stanley Goodall.
    • 1972年9月、スネイプ、モールティングスでの録音。
  1. 3120172
  2. SET567

プロダクト・ディテール(オリジナル盤)

  1. レーベル
    DECCA
  2. レコード番号
    SET.567/8
  3. 作曲家
    ロベルト・シューマン
  4. 楽曲
    ゲーテのファウストからの情景
  5. 演奏者
    • エリザベス・ハーウッド(ソプラノ)
    • ジェニファー・ヴィヴィアン(ソプラノ)
    • ポーリーネ・スティーヴンス(ソプラノ)
    • フェリシティー・パルマー(メゾソプラノ)
    • メリエル・ディクソン(メゾソプラノ)
    • アルフリーダ・ホッジソン(コントラルト)
    • ピーター・ピアーズ(テノール)
    • ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
    • ジョン・シャーリー=カーク(バス)
    • ワーズワース学校少年合唱隊
  6. オーケストラ
    イギリス室内管弦楽団
  7. 指揮者
    ベンジャミン・ブリテン(指揮)
  8. 録音年月
    1972年9月
  9. 録音場所
    スネイプ、モールティングス
  10. 録音種別
    STEREO
  11. 製盤国
    GB(イギリス)盤
  12. レーベル世代
    ED4(スモール・溝あり・紫地)
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