「 GB PHILIPS SFM23008 クララ・ハスキル イーゴリ・マルケヴィッチ ラムルー管弦楽団 ベートーヴェン ピアノ協奏曲3番」を通販レコードとしてご案内します。
私の生涯に出会った天才はチャーチル、アインシュタイン、そしてハスキルだけだ ― 世界的喜劇映画の創出者にして名優のチャールズ・チャップリンをして言わしめたクララ・ハスキルは天賦の才に恵まれながら、病と闘いながらも演奏活動を続けた孤高のピアニスト。ルーマニア生まれで、芸術・文化の中心パリでピアノを学びました。若くて美しい天才的なピアニストが華々しく活躍する様を想像しますが、実は闘病生活を虐げられていたということです。病気との戦いは彼女の人生を大きく支配するものとなりました。病気に加えて、さらに第二次世界大戦はユダヤ人であるハスキルに過酷な運命をもたらしました。というような彼女の生き様から、逃れられない運命に直面したときの人間の強さと孤独感を聞き取ることが出来ます。また、同じルーマニア出身のディヌ・リパッティとは深い友情に結ばれていたようです。しかし、そのリパッティの天才は若くして白血病に奪われてしまいました。そうした晩年の演奏からは限界に追い込まれたときの人間の本当の友情、優しさを感ずることも出来ます。このハ短調の協奏曲は、同じ調性のモーツァルト・ピアノ協奏曲第24番に似た印象的なオーケストラの導入部で始まる。第1楽章はハ短調という調性が持つ劇的な悲劇性というよりは、まるで静かに悲しみを堪えているかのように聴こえる。第2楽章も穏やかに歌うし、第3楽章もロンドも勢いに任せて突っ走るような気配は皆無。やや遅めのテンポをとり、オーケストラ、ピアノともに実に丁寧に弾き進めていく。自分の勝手気儘で何かをつけ加えるというのではなく、作品をして自ら語らしめるのを演奏の中核としている女流ピアニストの優美で繊細な演奏。ハスキルの演奏が訴えかけてくるものは、作曲家の作品にこめた「創造の息吹き」の自然な流れである。オーケストラもピアノも一つ一つのフレーズをかみ締めるように丁寧に扱っているといえばいいだろうか。もともとハスキルが持っていた資質に、イーゴリ・マルケヴィッチがそれを引き出すようなサポートしているのだろう。
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