「 NL DECCA SXDL7604 キリ・テ・カナワ ジェフリー・テイト イギリス室内管弦楽団 カントルーブ オーヴェルニュの歌 Vol.1」を通販レコードとしてご案内します。
これほどまでに美しく歌われた「オーベルニュの歌」が、かつてあっただろうか … ディム・キリの最高傑作 ― 話題の美貌のソプラノ、テ・カナワの名声を確立した。蠱惑のカントルーブ。テイトの指揮がまた聴かせます。フランスのオーヴェルニュ地方の民謡を題材にした名曲の決定盤。よく〝クリーミー・ヴォイス〟と称えられるその輝かしい声と美しい歌唱様式により、ドイツをはじめ欧米各国で人気を博したキリ・テ・カナワ(Kiri Te-Kanawa)。各国でベストセラーとなった世にも美しいフランス民謡アルバムからのセレクション。中でも陶然とするばかりの『バイレロ』は有名で、映画やテレビなどでもよく使用されていました。ジェフリー・テイト指揮するイギリス室内管弦楽団の演奏も絶品です。とは言え久しく、サントリーブランデーのコマーシャルでキャスリーン・バトルが歌ってブームになった、オンブラ・マイ・フほどには記憶されていないかもしれない。おそらく、この曲を愛好する日本人の中で、意識してオーヴェルニュ地方に訪れた人はいるだろうか。そもそもオーヴェルニュに立ち寄った人で、この曲の持つ普遍的な美しさに浴した人はどのくらいいるだろう。マドレーヌ・グレイやネタニヤ・ダヴラツ、ヴィクトリア・ロス・アンヘレス、またジェラール・スゼーなども含めて少なからぬ名歌手らが取り上げている名唱レコードを宝にしている人は少なく無いだろうが、往年のレコード・コレクターだろうし、そもそもオーヴェルニュがきっかけでこの曲を知る人よりも、むしろお気に入りのソプラノ歌手が歌っているのを聴いて知るという人の方が多いのではないか。ダヴラツ、ロス・アンヘレスのレコードは聴いていたけれども、わたしはヴァンサン・ダンディを好んで聞いていた頃、フレデリカ・フォン・シュターデが好きで新譜で登場した「オーヴェルニュの歌」を聴いたことが親しむきっかけとなった。〝琥珀色のラブリー・ボイス〟と呼ばれたその素適な歌声は、このオーヴェルニュの歌でたっぷりと味わえる。ちょっとなまめかしく、でも気品があって、なめらかな声はいつ聴いても心和ませてくれる力がある。冒頭の有名な『バイレロ』からして、もう身も心もとろけるような気分に誘ってくれる。『バイレロ』を聴きながら、わたしの心は広いアルプを吹き来る風を感じ、心から癒される思いである。フランス南東部のオーヴェルニュは山岳地帯で、山あいにある牧草地で、遠く離れた2人の羊飼いが歌っているのを聴いてカントルーブが書き留めたものだそうだ。「農民の唄というものは、形式の点ではともかくとしても、情緒や表現においては、最も純粋な芸術の水準にまでしばしば到達している」という彼の言葉は、楽しい曲でも、この歌曲集には哀愁と儚さが紙一重になっていて、山岳地方の風土の厳しさや、そうした自然の中で育まれた男女の仲の身につまされるような関係が巧みに描き出されている。フォン・シュターデは、そうした音楽の意外な深みをさりげなく歌うことで聴き手の想像力を刺激してくれる。
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