「 GB RCA SB-2010 フリッツ・ライナー シカゴ交響楽団 ベートーヴェン 交響曲7番、序曲「フィデリオ」」を通販レコードとしてご案内します。
ライナー=シカゴ響、初期の充実を音として刻み込んだ名録音。 ― フリッツ・ライナーはベートーヴェンの交響曲を全曲演奏していますが、シカゴ交響楽団とのスタジオ録音は第2番、4番、8番を欠く。1955年に録音された交響曲第7番は、ヤーノシュ・シュタルケルがチェロ首席として在籍していたころのライナー=シカゴ響の充実ぶりを物語るLP初期の名演盤。細部まで緻密にバランスが整えられた響きによる思い入れを排した剛直な解釈は、20世紀中葉のベートーヴェン演奏の模範といえるもの。剛直でしかも繊細。細部まで緻密に配慮された巨匠ならではのベートーヴェン。実演よりも録音向きだった1950年代のシカゴ・オーケストラ・ホールのホールトーンをしっかり響かせる第1楽章冒頭の厚みのある演奏が聴き所です。低域を支えるコントラバス・パートの輪郭がはっきりした美しい響きも、聴きものである。提示部の演奏も素晴らしくひろがりのある録音が雄大な音楽を作り出しています。第1楽章コーダ部分の低域のオスティナートが、左チャンネルのコントラバスと右チャンネルのチェロとスピーカーの両方から強力に聴こえてくる録音は、コントラバスを舞台下手側(左チャンネル)に置き、左から第1・第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラと並べた変則的なオーケストラ配置によっていることにあり、このライナー盤以外にはあまりないと思います。つづく第2楽章の主題と対旋律のからみは素晴らしく、この第7はベートーヴェンの作品でも二重三重に旋律がからむ傑作ではないかと思います。ファーカスのホルン・ソロもきれいです。フィナーレの厚みのある演奏は圧巻です。シカゴのオーケストラ・ホールは、ボストン・シンフォニー・ホールよりも録音に向いていたようで、このホールで収録された1950年代・1960年代のライナー=シカゴ響の録音はいずれも高いクオリティに仕上がっており、オーケストラのトゥッティの響きと各パートのバランスの明晰さが両立した名録音が多いです。シカゴ交響楽団と言えば、ゲオルク・ショルティの時代におけるスーパー軍団ぶりが記憶に新しいところだ。ただ、ショルティがかかるスーパー軍団を一から作り上げたというわけでなく、シカゴ響に既にそのような素地が出来上がっていたと言うべきであろう。そして、その素地を作っていたのは、紛れもなくライナーであると考えられる。もっとも、ショルティ時代よりも演奏全体に艶やかさがあると言えるところであり、音楽性という意味では先輩ライナーの方に一日の長があると言えるだろう。演奏自体は必ずしも深みのあるものではなく、その意味ではスコアに記された音符の表層を取り繕っただけの演奏に聴こえるのは、カール・ベームやヘルベルト・フォン・カラヤンら同時代の演奏と比べているからだろう。しかし金管楽器や木管楽器の力量も卓越したものがあり、異様に凝縮したオーケストラのアンサンブルの鉄壁さは言うに及ばず。この1955年録音の2曲は、ステレオで収録されたライナー初のベートーヴェン作品となったものです。
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