GB DECCA SXL2219 カール・リヒター ヨハン・ゼバスティアン・バッハ オルガン名曲選

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GB DECCA SXL2219 カール・リヒター バッハ・オルガン名曲選

商品番号 34-21230

通販レコード→英ワイドバンド ED3 盤

この録音は、デッカ・レーベル初のステレオ録音のひとつとしても意義深いものです。 ― 戦後、イギリスのレコード会社英デッカと専属契約を結んだエルネスト・アンセルメとスイス・ロマンド管弦楽団は、かつてディアギレフの元で演奏したバレエ音楽、親交のあったラヴェルやルーセル、ストラヴィンスキーの作品などからベートーヴェンやブラームス、ヨーゼフ・ハイドンなどのドイツ・オーストリア音楽に至るまで、網羅的に録音をする機会を得た。英デッカのステレオ録音開始に於いても多大な協力をし、1954年5月13日から録音されたリムスキー=コルサコフ作曲の交響曲第2番「アンタール」は、同社初のステレオの実用化試験録音となった。1960年代のステレオ録音は、目の覚めるような鮮やかな管楽器、濡れたように艶やかな弦楽器といったいかにもハイファイ・高解像度を感じさせる、録音マジックと言って過言でないものだった。1960年代前半までは、ミキシングといっても6本のマイクを使うのが精一杯で、録音はダイレクトに2chでテープレコーダーに記録された。それらは、アンセルメのホームグラウンドとなったジュネーヴのヴィクトリア・ホールで行われた。偉大なバッハ音楽の布教に生涯を費やした20世紀バッハの第一人者カール・リヒターは独アルヒーフ、ドイツ・グラモフォン2大レーベルに膨大なバッハ作品を録音しているのは周知の事実です。勿論、指揮者としてだけでなくオルガニスト、チェンバロ奏者としても数々の名録音を残してくれました。ヘルベルト・フォン・カラヤンのバッハ録音の少なさからも判りますが帝王カラヤンと言えども、このリヒターの分野には入ってこれなかった。若くしてバッハ所縁のライプチッヒの聖トーマス教会、ミュンヘンの聖マルコ教会のオルガニストに就任した頃から、1981年に生涯を閉じるまでバッハ一筋。このバッハの化身とも言えるリヒターを遠くイギリス海峡の向こうから早くに注目していたのが英デッカであった。商魂逞しいことは他社の追随を許さない。この商魂から生まれたのが本盤。この年の9月から、アンセルメはラヴェルのレパートリーを録音していた最中、一時的にパリ管弦楽団との録音のためパリに滞在している間に、ヴィクトリア・ホールのオルガンを使って録音された。ヴィクトリア・ホールは、上方のパイプオルガンからステージにむけて非常に勾配の急な”ひな壇”がある。つまりこのひな壇に管楽器・打楽器を配置することでメイン・マイクに対して、立体的に音源となる楽器を配置できるという強みがあったのだ。極端に急勾配のひな壇に楽器群からマイク迄をほぼ等距離に設置したワンポイントマイク録音だから位相差が少なくリアルに聴こえる。かつてはカヴァイエ・コルの名器と呼ばれたオルガンがここに設置されていて、ヴィドールなどのフランス近代を代表するオルガニスト、作曲家たちがここでよく演奏していたそうですから、ヴィクトリア・ホールのオルガンは、大変由緒のある楽器でもあったようです。大変反応の良い、キビキビとしたオルガンの音で、ホールの残響も美しいもの。オルガンの響きが豊かな残響に支えられて、運動性に富む作品でその真価を発揮するのは、快感ですらある。この後はドイツ・グラモフォンの本拠地ミュンヘンに直接乗り込んでの聖マークス教会のオルガンでのセッションに移る。残念なのは、1984年に起こったヴィクトリア・ホールの火災で、大変美しい内装も灰にしてしまい、アンセルメの名盤や、ヴィルヘルム・バックハウスのベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集などで知っていた美しい響きと、リヒターの演奏やアンセルメの指揮したサン=サーンスのオルガン交響曲で聴かれたヴィクトリア・ホールのオルガンの音は、永遠に失われてしまいます。

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