「 US CBS SBR235793 レナード・バーンスタイン ニューヨーク・フィルハーモニック ハイドン 交響曲99&100番「軍隊」」を通販レコードとしてご案内します。
ハイドンの交響曲の最高峰といってよい ― 101番「時計」と並ぶ、100番「軍隊」は、けっして日本の格式張った軍楽隊の音楽ではなく、古典的な軍隊用の打楽器、大太鼓、シンバル、トライアングルを使った曲のひとつとして、大衆受けを狙った内容なので「ミリタリー」が良いと思え、軍隊というニックネームのお蔭でずいぶん損をしている。ハイドンの交響曲第93番から第104番までは、興行主ヨハン・ペーター・ザーロモンの誘いによりロンドン滞在中(1791〜95年)に書かれたことから、ロンドン・セット(またはザロモン・セット)と呼ばれ、103番と104番は、さらに高みに昇った曲だとは思うが、完成度という点では時計・軍隊には及ばないと思う。晩年のレナード・バーンスタインはもちろん魅力的である。たっぷりと思いを込めた ― 粘着質といいたいところだが、粘ってもてベタついた感じが全然しない ― ところは、同時代のヘルベルト・フォン・カラヤンやジュゼッペ・シノーポリとは異なっているようでいて共通する部分も感じられる。晩年になるにつれ、感情の高まりだけでなく全体へ細心の注意を払いながらも、演奏者と聴き手を高みへ誘導していくバーンスタインのスタイルが確立していきますが、然し、ニューヨーク・フィルの音楽監督に就任した当時のバーンスタインには、それとは違う特別な魅力がある。ハイドンの演奏は難しいのだという。通り一遍の演奏はできても、そこを超えるのがたいへんだ。同じように曲が素晴らしくても、だれが演奏しても曲の素晴らしさが前面に出てくるモーツァルトと違い、ハイドンの場合演奏家を選ぶ。演奏家によっては、各曲の個性が表に出て来ず、至極平凡な曲で終わってしまっています。それでバーンスタインのように曲にのめり込むタイプの感情移入の激しい指揮は、ハイドンには不向きのように先入観を思えるのだが、いざ聴いてみればバーンスタインの演奏は彼の体臭をほとんど感じさせない。何よりもハイドンを前面に浮かび上がらせた清潔な演奏になっている。爽やかで楽しく、ワクワクする演奏だ。バーンスタインが1950年代から1970年代にかけてソニー・クラシカルに残した録音は、作曲家としての複眼的視点で緻密にアナリーゼされた解釈をもとに、音楽の喜びを全身全霊で伝えようとする情熱に満ちている。もちろん楽団はニューヨーク・フィルハーモニックでもあり、今ではあまり聴かれなくなった重量感のある骨太の演奏で、たっぷり鳴らしているのは確かなのだけれど、けっしてうるさくない。この時代のオーケストラ奏者には、フルートのジュリアス・ベイカー、オーボエのハロルド・ゴンバーグ、クラリネットのスタンリー・ドラッカー、ホルンのジェームズ・チェンバーズ、トランペットのウィリアム・ヴァッキアーノ、打楽器奏者のソール・グッドマン、ウォルター・ローゼンバーガーらが名手として名高い。コンサートマスターはジョン・コリリアーノ、デイヴィッド・ネイディアンであった。バーンスタインのハイドンは明朗快活、ホットな動的な演奏。セルとは別の意味で端正です。ハイドンはバーンスタインのなかでも大きく占める作曲家であり、彼の汎ゆる情熱と才能が指揮活動に向けられていた時期。バーンスタインのハイドン演奏は、大編成による豊かな表情と振幅の大きなダイナミズムを特徴とするものですが、ニューヨーク・フィル時代は音楽づくりがまだ率直なこともあり、勢いの良さとリズミカルな楽しさが聴きものともなっています。
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