「 FR FONTANA 697 206EL トーマス・ビーチャム ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 モーツァルト 交響曲38&35&31番」を通販レコードとしてご案内します。
ウィットと天才性の濃密ブレンド。 ― モーツァルトの楽譜に手を加えるという普通では考えられない荒業も、嫌らしさは微塵もなく。「そうあるべきもの」として響くのですから、全く恐るべき塩加減。「単純な音型反復なんぞ耐えられん!」と言わんばかりで、現代は間違いなく、モーツァルトの時代になかったラジオやレコードで理解できるまでモーツァルトの音楽を聴く事ができる。モーツァルトの天才的な筆致に独特の華やぎを与えるサー・トーマス・ビーチャム流のウィットには脱帽。ドイツの大作曲家のいわゆる「3大B」 ― バッハ、ベートーヴェン、ブラームスのことを少々意地悪に、音楽史上の「3大退屈男」と呼んだことがある。とはいえ、はなから拒絶したわけでもなくベートーヴェンは全交響曲や協奏曲をしばしば演奏し、レコーディングも行っている。現在では「トルコ行進曲」と序曲しかレコーディングされることがほぼない劇付随音楽『アテネの廃墟』全曲をレコーディングしている。自慢の財力と持ち備えたセンスで若い頃から大々的な活動を繰り広げたビーチャムを突き動かしたのは、ある意味「音楽の開拓者」という使命感だったと言われている。その演奏は世界各地で絶賛され、独特の熟成した美しいアンサンブルにマイルドでエレガントな音色はビーチャムの時代から変わらぬ名演に満ちています。英国音楽界を牛耳っていたとも言われるほどの存在だった怪物だからこそ成し得た、満足できる音楽を自由にやりたいように演奏、録音をした。その演奏内容の多彩さには驚くべきものがあります、定評あるディーリアスでは独特の空気感を伝える絶妙な美しい演奏をおこなう一方、フランス音楽やベートーヴェン、モーツァルトなどでは、ときに過激なまでの思い切った表情付けで楽想をえぐり、さらにハイドンではスケール大きく懐の深い演奏を聴かせるといった具合で、それぞれの作品に真摯に向き合う姿は実に感銘深いものがあります。また、レオポルト・ストコフスキーを初めとして1950年代にレコードをたくさん録音した指揮者は楽譜にはない演奏を良くしている。ビーチャムのレコードもそういった演奏がとても多くあって新鮮に楽しめます。SP時代から録音をおこない長いキャリアをもっていたビーチャムですが、晩年の録音ほど自由な個性、ウィットや豪快さが特によく示されていました。ビーチャムは幅広いレパートリーを誇り、正規レコーディングだけでも採り上げた作曲家の数は69人、そして録音曲の数は477曲を数えたという。ビーチャムの演奏は常に生き生きとした演奏をして、聴衆を大いに喜ばせた。ジョン・エリオット・ガーディナーは『アート・オブ・コンタクティング』の中で「彼の演奏は玉のような宝石があふれ出てくるようである」と評している。レコード録音のレパートリーのスタンダードも構築したような業績もあるので、親しんでいる曲からでもビーチャムの録音盤と聴き比べるのは面白く勉強に成る事でしょう。
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