GB DECCA SXL6252 ウラディーミル・アシュケナージ ロンドン管楽合奏団 モーツァルト&ベートーヴェン ピアノ五重奏曲

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34-17105

親愛感に満ちた調和に感嘆 ― イギリス風のメロウなサウンドに明るくのびやかな音色。「ロンドン管楽合奏団」は、イギリスを代表するクラリネット奏者だったジャック・ブライマー(Jack Brymer)が主宰していたアンサンブルで、その当時のイギリスの木管の名手を集め、かなり高い水準キープしています。モーツァルト28歳時の作品、《ピアノと管楽のための五重奏曲変ホ長調 K.452》はピアノとクラリネット、オーボエ、ホルン、ファゴットによる曲です。この一風変わった編成の室内楽は後年の後輩達も大きく刺激されこのジャンルに挑んだくらいにモーツァルトが残した意欲作で、モーツァルト自ら「自分がこれまで作曲した中で最高の作品」と言ったほどの自信作です。モーツァルトが書いた弦楽四重奏曲や弦楽五重奏曲といった室内楽作品とは全く別の世界が広がり、またそれらの調和がことのほか美しいことに驚嘆させられます。モーツァルトの管楽器に対する扱いの卓越ぶりはいまさら言うに及びませんが、それにしても、特に比較的新しい楽器であるクラリネットを、この時代にここまで自由に表現できる作品を書いた人はいなかったのではないでしょうか。ブライマーのクラリネットがまたこよなくいい音を出しており、モーツァルトの、それこそ天から降りてきたとでも形容しようのない旋律を響かせています。タイムズ紙は彼を「おそらく彼の世代の、おそらく世紀の主要なクラリネッティスト」と呼んだ。ベートーヴェンの《ピアノと管楽のための五重奏曲変ホ長調 作品16》ともどもの2曲は1966年の発売当時から、いまだにこの作品の代表的な録音として評価されているもの。これはピアノとたった4本の管楽器による曲ですが、それらが互いに競い合い、主旋律をリードしていくといったミニ協奏曲的な作品に仕上がっています。当時20歳代の若きウラディーミル・アシュケナージのみずみずしいピアニズムとブライマーやホルンのアラン・シヴィルといったイギリスの誇る管の名手たちが絶妙なサポートをするアンサンブルは、いつまでも色褪せない新鮮さに満ちている。この異色の楽器編成による嫋やかでふくよかな表情、鄙びた色彩は格別に素晴らしく、音楽する愉しさがいっぱいの演奏だ。録音もいい。FFSS録音の長所を十二分に享受したと云いたくなるような素晴らしい録音です。英デッカの優秀録音も手伝って各楽器が手に取るように認識でき、またそれらの調和がことのほか美しいことに驚嘆させられます。ゆったりとした気分で安心して聴くことのできる名作定番です。

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