FR TRIANON 2C045-10088 ヴィルヘルム・シュヒター ハンブルク室内管 バッハ ブランデンブルク協奏曲

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FR TRIANON 2C045-10088 シュヒター ハンブルク室内管 バッハ・ブランデンブルク協奏曲

カラヤンの置き土産 ― NHK響の実力の基礎を作った指揮者で、少しの飾り気もハッタリもない純ドイツ風の安心して聴ける音楽づくりで日本人には耳馴染みある《アイーダ》の原風景。ヴェルディ作曲の『凱旋行進曲』と『清きアイーダ』が中学校音楽家教科書の教材に選ばれている。ヘルベルト・フォン・カラヤンを間近にしていた副指揮者。カラヤンの来日ツアーに随行した縁でNHK響の常任指揮者になるが、近衛秀麿がプロの交響楽団として組織したのがNHK交響楽団となるわけで因縁は面白い。犬猿とは互角の間で言うべきもので、カラヤンはナチへの従順な奉仕であり、ヴィルヘルム・フルトヴェングラーはそうではない。そこからカラヤンとフルトヴェングラーは犬猿の仲とはいえるものではない。カラヤンにはドイツの貴族の称号たる“von”が名前の上についているが、カラヤン家はオーストリアの名門には違いない。故にわたしはフォン・カラヤンと書くことはない。カラヤンの父はオーストリアの医学界の重鎮だったが、祖父はギリシャ人で母はセルビア人、ギリシャから移住してきた彼の祖父が織物業者でドイツに住みつき大いに財を成した。その倅も父に劣らず財をなしてホーヘンツォルレン家から男爵号を授与された。その後、一家はオーストリアに移りカラヤンの祖父と父がともにハプスブルク家の侍医となって、これまた財を蓄えたのでハプスブルク家から男爵号を貰ったという。カラヤンの指揮ぶりは、その伸ばした腕の位置が、普通の指揮者より少し高い。演奏が満足すべき状態にあると両目を半眼にして、音楽を自分の方へ抱き寄せるふうにして、タクトの動きよりは両腕全体が掌(たなごころ)を内に向けてゆるく上下に波打って動いている。そしてフォルテでは虚空を鷲掴みにして感動を奪い取るように、肘をふるわせては素早く垂直に棒をおろす。髪振り乱す情熱な様子では無いが、その熱狂的な指揮ぶりは、いくらかはバルカンの血のせいだろうという。カラヤンにはドイツ人の血は一滴も流れていないそうである。それ故、ナチの誘いがあったとき生粋のドイツ人フルトヴェングラーは頑固に「ナイン」と言いえたことでも、血をドイツに持たないカラヤンは拒む道理を見出しきれなかった。長年カラヤンのアシスタントをつとめたヴィルヘルム・シュヒターは「極めて脆弱な神経の持ち主であり、インフェリオリティ・コンプレックスの塊みたいな男だった。」と言ったそうだ。カラヤンは19歳になったとき、ドイツのウルムという小さな町の市立オペラの指揮者になったが、三流どころと言っていいこのオーケストラを率いてデビューしたモーツァルトのオペラ『フィガロの結婚』は大成功だった。また35歳の頃に、みずから第2ハープシコードを弾きながらヨハン・ゼバスティアン・バッハの『ブランデンブルク協奏曲』を指揮したことがあるが、これを見た或るハープシコード奏者は、「カラヤンは本物のバッハのスペシャリストになることもできたろう」と感嘆し「カラヤンはあらゆるヴィルティオーゾ的魅力をこめた素晴らしい音楽を聴かせてくれた。彼はまるで18世紀のカペルマイスターのようにオーケストラの一員だった。しかも、カラヤンが控え目にコンティヌオ(通奏低音)を演奏していたときすら、オーケストラは稀な完璧度にまで訓練されているのが分った」と言っている。

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