DE DGG LPM18 713 アンダ・ゲーザ ベートーヴェン ディアベリのワルツによる33の変奏曲

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34-10068

商品番号 34-10068

通販レコード→独 TULIP ALLE HERSTELLER 盤[オリジナル]

感動 ― という言葉を素直に使いたい。ベートーヴェンの編曲技法の集大成とも言えるこの作品は、ディアベッリの主題をもとにした33の変奏曲からなる長大な曲。ベートーヴェンは、晩年になって、変奏曲を自らの重要なジャンルにおくことになった。作曲家で出版業も営んでいたディアベッリは、自らのワルツ主題によって、当時名前の売れていた作曲家50人に1人1曲ずつ変奏を書いてもらい、長大な作品に仕上げようと企画した。その中にはチェルニーやシューベルト、当時11歳だったリストもいた。その50人の作曲家の一人にベートーヴェンも選ばれたが、その主題による独自の変奏曲の作曲を思い立ち、演奏時間50分以上を要する、33もの変奏からなる長大な作品に仕立て上げた。その作風が旋律や音型を装飾していく装飾変奏から、変奏が主題の性格そのものに及ぶ性格変奏の究極の形にまで至っているため、元々のワルツ主題の原型がわからないくらいになってしまっている。「どうしてベートーヴェンはこんな曲を作ったのだろうか」という疑問を、おそらく多くのクラシック音楽ファンが一度は持ったことがあるのではないでしょうか。ヨハン・ゼバスティアン・バッハの「ゴルトベルク変奏曲」と並び称せられる変奏曲の傑作とされながら、その受容のされ方は全く違うように思えます。「ゴルトベルク変奏曲」も3の倍数の変奏はカノンとなる手のこんだものだが、変奏曲には時として人気になる名旋律が埋め込まれます。ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」での第18変奏の甘美な「アンダンテ・カンタービレ」や、エルガーの「エニグマ変奏曲」の第9変奏「ニムロッド」は単独でも演奏されるほど。ベートーヴェンはこの長大な変奏曲の終盤に深遠な雰囲気を伴う名旋律を挿入、変奏の区切りがわからないほど高度な構造とせしめ。聴き始めの集中力が最後まで持続することが極めて難しい「難曲」です。そこで本盤で聴くものは。遺作を除く13曲のショパンのワルツ集を生前の最後の録音に選んだ〝ピアノの吟遊詩人〟の《ディアベッリ変奏曲》は、緩急のコントラストが大きくて明快。ソノリティも煌めきと色彩感のある音で弾き上げられていて多彩。各変奏をリピートしていないので、演奏時間が39分ほどと短いが、リピートをしたうえでの最短はヴィルヘルム・バックハウスの43分と比べると快速というのではない。時に愛らしく優美かと思ったら、ユーモラスだったり、厳しかったり、アンダらしく表情がクルクルとよく変わる。流麗というよりも、ちょっと骨っぽいゴツゴツした起伏の多い表現で、物語りを聴いているような語り口。しかし、初期盤であればこその音質が軽やかなので弱音で弾くときはとても優美な雰囲気を醸し出し、フォルテは打鍵はしっかりしているけれど、丸みを帯びた響きで、ゴツゴツした厳しさはなくて、ピアノの音色もとても明るいのです。ペダリングで響きを重ねていくときの和声も美しさ、絹のベールが何枚も重なったように柔らかく光沢があり、鐘がエコーするようだったり、夢幻的な茫漠とした響きだったりと、実に多彩に変奏曲を楽しませてくれることでしょう。

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