小澤のアイヴス/「宵闇のセントラルパーク」、交響曲第4番 DE DGG 2530 787 STEREO

辛辣な批評で知られたハロルド・チャールズ・ショーンバーグは、「アイヴズの音楽は、それ自体がアメリカ音楽史である」と記している。今日は名声を嫌ったアイヴズが生まれた日。音楽を評価するうえで忌まわしい言葉の一つが「素敵」 (nice) であり、「大人のように自分の耳を使え」と語ったアイヴズ語録は有名。

アドニのショパン/ピアノ作品集 GB EMI HQS1251 STEREO

1970年代のEMIは若手ヴァイオリニストやピアニストの紹介に熱心だった。特にピアニストは鬼才として名前の残る演奏家が多い。ダニエル・アドニも録音が盛んだった。ゆったりと旋律を歌わせて情感の籠った演奏です。

ベロフ、コラールらのサン=サーンス/「動物の謝肉祭」、七重奏曲 DE EMI 26 236-0 STEREO

SQクワドラフォニック盤。各誌絶賛。仲間といる楽しさを感じさせる。チェロ独奏の「白鳥』が際立つ、サン=サーンスの動物の謝肉祭(室内楽版)。
仏エラート・レーベルなどでお馴染みのフランスの名手たち豪華メンバーによる「動物の謝肉祭」の室内楽版。顔なじみどうしだから、仲間といる楽しさを感じさせるのはこのアルバムです。

ナタン・ミルシテイン ピエール・フルニエ イェラン・セルシェル ヨハン・セバスティアン・バッハ 器楽作品集 DE ARCHIV 413 094-1

いくつかあるフルニエの「無伴奏チェロ」の中でも演奏・音質の両面で最高傑作。何度も再販され、LP、CD、SACD、復刻LPやハイレゾ配信まで発売されていることが、時代を超越したフルニエの名演奏とその録音の優秀さを証明している。技巧家故時代による魅力はあるが、50年聴き続けても聴く度に凄い、と思うこの曲の第1位にあげる評論家もいるほどのミルシテイン、2度目の「無伴奏ヴァイオリン」。そして、11弦ギターの響きに浄化されるセルシェルの演奏は、ひたすら淡々と水のごとく音が流れるバッハ。いずれも、バッハのポリフォニックな声部の動き方が腹にストンと落ちます。