「 カラス&プレートルのプッチーニ/「トスカ」全曲 FR EMI 2C 165-00.040/1 STEREO 2LP」を通販レコードとしてご案内します。
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ルネサンス時代〜バロック時代を生きたイタリアの作曲家、クラウディオ・ジョヴァンニ・アントニオ・モンテヴェルディが没した日(1643年)。世に優れた作曲家は数あれど、既成のスタイルを突き抜けて全く新しい地平を切り開くほどの天才がモンテヴェルディです。彼はヴァイオリン制作の工房(アントニオ・ストラディバリが工房を構えたのは1680年)が数多く軒を連ねるイタリアのクレモナ生まれ。ルネサンス時代の末、マントヴァ公爵の宮廷で歌手として使え始め、1602年から宮廷楽長を務め、自身も作曲のほか、ヴィオラ・ダ・ガンバ(「ヴィオラ・ダ・ガンバ」とは「脚のヴィオラ」の意味で、楽器を脚で支えることに由来する。外観はコントラバスのようだが可動式のフレットが有り、ヴァイオリンのように弓で弦をこすって音を出す楽器)の奏者でもあった。その後40歳まで主にマドリガーレの作曲に従事し、その9巻の曲集はポリフォニー音楽を大きく革新し、宗教音楽の様式と世俗音楽(マドリガル)スタイルを育んだ。オペラ《オルフェオ》や、世俗歌曲マドリガーレ曲集など、挑戦に満ちた作品を多く生み出した。謝肉祭の祝祭としてマントヴァ公爵は、モンテヴェルディに対して音楽劇の作曲を命じることとなり、モンテヴェルディは、カメラータの明確な旋律線をもち、聞き取りやすい歌詞、そしてしっかりとした器楽の伴奏を伴うモノディー様式を取り入れながらも、それまでの自らの創作で培ってきた歌そのものの表現力を歌劇《オルフェオ》に織り込み、後のアリアにも通じる劇的な歌唱を作り出しました。また、『オルフェオ』の画期的な点はその劇的な力とオーケストレーションであった。単なる伴奏の域をはるかに超える充実した楽器群による情景描写、二重唱や合唱の効果的な使用、転調による鮮やかな場面展開などの創意工夫が、音楽劇のドラマ性をさらに高めています。音楽史におけるバロック時代は1600年頃から1750年頃までの時期を指します。少し前までは音楽史といえばヨハン・ゼバスティアン・バッハを最初として、それ以前が省みられることはほとんどなかったのだが、近年ではモンテヴェルディをその開始に位置づける考え方が定着してきている。時代の変革者モンテヴェルディはルネサンス音楽の完成者であり、同時にバロック音楽の創始者でもあった。1607年にオペラ史上における最初の傑作といえる歌劇《オルフェオ》が上演。この時がバロック音楽の誕生で、その後のクラシック音楽、古典派、ロマン派、近代・現代音楽と発展していきます。モンテヴェルディのオペラ作品は、通常「バロック以前」(プレ・バロック)もしくは「初期バロック」と位置づけられているが、サンダーシートなどの効果音が世界で初めて作曲家によって使われたという説もあり、近代オペラの出発点とみなされている。晩年に作曲した2曲の傑作とされるオペラ、『ウリッセの帰還』(1641年)と『ポッペーアの戴冠』(1642年)だけが現存しているオペラ作品だが、ヴェネツィアにできた入場券によって興行する最初のオペラハウスのために多くのオペラ作品を書いた。76歳で没するまでの25年間に、モンテヴェルディは少なくとも18曲のオペラを作曲した。晩年までヴェネツィアで非常に大きな音楽的影響力を保ち、その門下からはベネデット・フェラーリ、ピエトロ・フランチェスコ・カヴァッリをはじめ多くのオペラ作曲家が輩出している。また1628年にヴェネツィアに訪問していたハインリヒ・シュッツが、モンテヴェルディから学んだ新しい様式をドイツへ持ち帰り、ドイツ語の音楽へ応用した。故と次第にバロック音楽の美しいスタイルが全ヨーロッパへ広まっていく。
FR EMI 2C 165-00.040/1 マリア・カラス カルロ・ベルゴンツィ ティート・ゴッビ レオナルド・モンレアーレ ジョルジョ・タデオ ジョルジュ・プレートル パリ音楽院管弦楽団 国立歌劇場合奏団 プッチーニ/「トスカ」全曲
- Record Karte
FR 赤地にカラースタンプニッパー, 1964年の優秀録音です。ボックス入り。
数多い「トスカ」のなかでも、ひときわ光を放つ名盤です!- マリア・カラス(ソプラノ)
- カルロ・ベルゴンツィ(テノール)
- ティート・ゴッビ(バリトン)
- レオナルド・モンレアーレ(バス)
- ジョルジョ・タデオ(バス)
- ジョルジュ・プレートル(指揮)
- パリ音楽院管弦楽団、国立歌劇場合唱団
- 録音は1964年12月3,4,7〜12,14日、1965年1月19日パリ、サルワグラムでのセッション。
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アピールすべきをズバリと堂々と誇らしげに。
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マリア・カラスの名高い名盤。歌姫「トスカ」ほど、カラスにふさわしい役柄はないだろう。生命感と強い説得力がある録音が気がつけば半生記経過しようとしている。
- マリア・カラスは歌手としての絶頂期はすでに下り坂にあったが、アピールすべきをズバリと堂々と誇らしげに歌い上げ。ジョルジュ・プレートルは、ダイナミックな音作りでカラスを引き立てています。気がつけば半世紀ずっと君臨しているのは、流行や風潮に流されやすい世の中でガッツリ伝えたいことだけを強調した演奏だからでしょう。 ― プレートル(92歳)自らも「私は単なる指揮者ではなく解釈者である」と述べていることから伝統的な演奏形式を踏襲しない解釈に関しては評価の分かれるところである。しかし、2016年時点でスタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(92歳)やネヴィル・マリナー(92歳)と共に1920年代に生まれた最高齢現役指揮者の一人であり、その高い独創性と華やかな創造力による比肩のない演奏は一聴に値する。惜しくも2017年1月4日に没、享年92歳で最高齢現役指揮者の記録更新は叶いませんでした。
- かねてから手がけていたリヒャルト・シュトラウスのオペラに加え、様々なドイツ音楽との関わりを深め、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン、ヨハネス・ブラームス、アントン・ブルックナーの交響曲を中心に構成されたツィクルスでも伝統的な演奏形式を踏襲しない型破りの解釈だったことでも言える。
- プレートルの知名度を挙げるひとつの契機となったマリア・カラスとの共演は、1961年に行われた『パリのマリア・カラス』の録音で、カラス本人がプレートルをお気に入りの指揮者として指名したことに始まる。カラスは歌手としてすでに下り坂にあり、実際にはコンサートツアーにおける13回の共演と18回のオペラでの共演記録しか残っていない。録音としても正式なスタジオ録音としては、ジョルジュ・ビゼーの『カルメン』全曲と、カラスにとって2回目のスタジオ録音であるジャコモ・プッチーニの『トスカ』全曲、フランス・オペラ・アリア集『パリのマリア・カラス』の3録音しか残されていない。
- 昨今、女神を意味するディーヴァという言葉が安易に使用されるきらいがある。しかし、真にディーヴァらしい、気品に満ちたディーヴァを戦後のオペラ界で探すとなれば、やはりマリア・カラスとなるでしょう。しかし、そのマリア・カラスと云え、真のディーヴァの地位に留まっていられたは、英EMIのレッグと関係を持った1952年ごろから1964年晩年のトスカ録音の12年位と以外と短い。
- 海運王オナシスとの恋にやぶれ、晩年催眠剤に頼り、孤独の中、53歳でこの世を去ったマリア・カラスは波乱万丈の生涯をおくった伝説のプリマドンナです。カラスほど悲劇のヒロインを演ずるのに相応しいプリマドンナはいない。
- この録音が今日まで色褪せないのは、カラスの魅力の全てを表出した強烈な歌唱とカラスの生涯が重なっているからではと思います。1965年1月19日、パリのサル・ワグラムでのセッション、声の調子やその気迫と歌心は全盛期を過ぎていますが素晴らしい。かつてのカラスのソプラノよりも少し重い声質で、メゾのような響きを持っています。
- 本盤を聴き直す度に、カラスは紛れもない不世出のソプラノだったのが良くわかる名盤です。
- フローリア・トスカは、カラスが1965年、カラスがロイヤル・オペラ・ハウス、コヴェント・ガーデン、メトロポリタン歌劇場、そしてパリ・オペラ座で最後の全曲演奏を行った役である。彼女がトスカ役を演じた最後の舞台であり、これは彼女にとって最後のオペラ全曲録音でもありました。12年前のモノラル録音と同様、ティト・ゴッビがスカルピア役で加わり、カヴァラドッシ役にはカルロ・ベルゴンツィ迎えての新録音は、音質の向上も含め、旧盤と甲乙を付けがたい録音史上に残る傑作となりました。この録音をグラモフォン誌は「スリリングで非常に完成度の高い解釈。シーンごとに、小節ごとに、純粋な知性と劇的洞察力によって生き生きと表現されている」と称賛しています。
- マリア・カラスの表現は、ビブラートもちょっと耳につく感じもあり、とにかくアクは強いです。1964年、マリア・カラスが40歳の時のセッション録音。スカラ座盤に較べると声の威力は減退していて、技術的には完ぺきではないんですけど、音楽が生きていると言うんですかね。それを補ってあまりあるドラマティックな表現力はやはり魅力的です。なんと言ってもプレートル指揮パリ国立歌劇場管弦楽団の音色にラテン的な明晰さがあふれているのがいいですね。ジョルジュ・プレートルも当時40歳、ダイナミックな音作りでカラスを引き立てています。しかも軽妙なリズムで覇気があります。非常に快活で生き生きしてるのです。旋律ものびのびと歌ってます。ホルンの軽い音色にかかるヴィブラート、これがまたフランス的で粋ですね。なかなかこの生命力はいいですね。
- 生命感と強い説得力がある録音が気がつけば半生記経過しようとしている。
ディーヴァ ― 不世出のソプラノ
舞台ではいつも新しいものを求めなくてはなりません。その方がよりリアルです。私はいつも同じようには動かないので、二つと同じ舞台はありません。署名と同じで、二つと同じものはないのですが、それはいつも「マリア・カラス」なのです。
- マリア・カラス(Maria Callas)は1923年12月2日、ニューヨーク生まれのソプラノ歌手。1977年9月16日、パリにて没。
13歳で故国ギリシャに帰り、アテネ音楽院で名歌手、エルビラ・デ・ヒダルゴに師事。1938年にオペラ・デビューし、1947年、ヴェローナ音楽祭でのアミルカレ・ポンキエッリのオペラ「ラ・ジョコンダ」のタイトルロール役で一躍注目を浴びる。1950年のスカラ座デビューから約10年間が全盛時代。リヒャルト・ワーグナーのドラマティックな役と、ベル・カント・オペラの両方の分野で成功を収め、不世出のソプラノ歌手として名を残した。 - 42歳だった1965年にオペラの舞台から退いたが、1969年に映画『王女メディア』に主演したほか、舞台演出、音楽院の講師を務め、1973~74年に世界各地でフェアウェル・コンサート・ツアーを行った。
- オペラ歌手としての充実した活動期間は短く、1951年からの7年間が全盛期、歌声に波があった1960年代まで含めても10数年にすぎなかった。早すぎる衰えは、若い頃に難曲で喉を酷使したため、あるいはダイエットのせいとも不摂生のせいともいわれる。
- 全盛期のモノラル録音と比べスタジオでセッション録音されたステレオ録音の歌唱には年齢的に最盛期とは、もはや言えないし声の変化はいかんともしがたいものがありますが、それを超越した表情づけのこまやかさ、心理描写の絶妙さは、精妙な構成力が際立った歌唱になっていきます。
- ドラマに対する類まれな冴えた感覚と、それに完璧に連動する歌唱力を持ち合わせていた稀代の名歌手カラスは、1953年のヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトのオペラ『ドン・ジョヴァンニ』からのマイク・テストから、レッシーニョとの1960年台の録音まで、キャリアのほとんどの期間でEMI専属の歌手としてジョルジュ・プレートル、トゥリオ・セラフィン、ガブリエーレ・サンティーニ、ヴィクトール・デ・サーバタ、ヘルベルト・フォン・カラヤン、アントニーノ・ヴォットー、ニコラ・レッシーニョ、アルチェオ・ガリエラらとレコーディングを行っていました。
- カラスの歌手生活に大きな影響を与えるセラフィンは、聴き応えあるレコードを残す上にも非常に重要な人物になりました。ソプラノとして最高の時期にいた唯一無二のディーヴァによる名唱をウォルター・レッグのプロデュースで録音しています。往年の舞台姿を彷彿する、それらは時期を開けて1958年から1969年まで丁寧な選曲でセッションが組まれました。
プロダクト・ディテール(オリジナル盤)
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レーベルEMI
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レコード番号2C 165-00.040/1
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作曲家ジャコモ・プッチーニ
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楽曲歌劇「トスカ」全曲
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演奏者
- マリア・カラス(ソプラノ)
- カルロ・ベルゴンツィ(テノール)
- ティート・ゴッビ(バリトン)
- レオナルド・モンレアーレ(バス)
- ジョルジョ・タデオ(バス)
- レナート・エルコラーニ(テノール)
- ウーゴ・トラーマ(バス)
- ダヴィッド・セラー(ボーイ・ソプラノ)
- パリ国立歌劇場合唱団(合唱指揮:ジャン・ラフォルジュ)
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オーケストラパリ音楽院管弦楽団
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指揮者ジョルジュ・プレートル
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録音年月日1964年12月3,4,7〜12,14日、1965年1月19日
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録音場所パリ、サルワグラム
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録音プロデューサーMichel Glotz
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録音エンジニアPaul Vavasseur
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録音種別STEREO
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製盤国FR(フランス)盤
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レーベル世代赤地にカラースタンプニッパー
CDはアマゾンで購入できます。
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