100年前の緊急事態宣言 ― スペイン風邪の大流行の最中、10人での初演は成功したストラヴィンスキーの舞台作品《兵士の物語》

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「 100年前の緊急事態宣言 ― スペイン風邪の大流行の最中、10人での初演は成功したストラヴィンスキーの舞台作品《兵士の物語》」を通販レコードとしてご案内します。


4月6日

ロシアの作曲家ストラヴィンスキーが没した日(1971年)。ロシアで作曲を学ぶも2度の世界大戦の影響もあり、スイス、フランス、最後はアメリカと渡り歩きながら生涯作曲を極めた。作風もその時々によって変幻自在に変化し、《春の祭典》やバレエ《火の鳥》に代表される初期、次いで古典派への回帰、晩年は12音技法へも興味を示すようになっていった。
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FR PHILIPS 835 181LY – Jean Cocteau, Peter Ustinov, Jean Marie Fertey, Anne Tonietti – Igor Markevitch, Ensemble De Solistes – STRAVINSKY – Histoire Du Soldat

FR 赤地にホワイトロゴ.三方見開きジャケット入り。

  • Record Karte
  • Recording at Theatre de Vevey (Suisse) in October 1962 (17eme Festival International de Musique de Montreux-Vevey).
    Artwork cover by Jean Cocteau (This unique artwork was released only for this album).


耳で観る、朗読劇

〝読まれ、演じられ、踊られる〟

1918年9月28日に初演された《兵士の物語》(L’Histoire du soldat)は、20世紀初頭に起こった芸術運動の潮流、〝朗読と演劇、バレエ〟を総合した舞台作品で、オリヴィエ・メシアンから「カメレオン作曲家」と呼ばれる、多彩な作風を持つイーゴリ・ストラヴィンスキーの新古典主義への移行を示す重要作。「読まれ、演じられ、踊られる」と付記されている、一種の音楽劇。7人の演奏者と3人の役者で上演できる。
題材に民族主義、音楽にはそれぞれの楽器のソリスティックな扱いにコンチェルト・グロッソの活用やリズムの扱いに変拍子を多用し、タンゴやアメリカのラグタイム/ディキシーランド・ジャズを消化した奇妙でユニークな音楽。
小説家のシャルル・フェルディナン・ラミューズがロシアの民話「脱走兵と悪魔」を元にしてフランス語で台本を書き、舞台上、7人からなる小オーケストラと語り手、兵士、悪魔、の3人の人物が登場する。舞台上演では無言で演技する王女役が加わることもある。オーケストラは弦楽器、木管楽器、金管楽器のそれぞれから高音と低音を受持つものを選び、打楽器を加えた七重奏、すなわちヴァイオリン、コントラバス、ファゴット、クラリネット、コルネット、トロンボーン、それに打楽器である。打楽器は作曲者本人の指定を多少改変したトライアングル、タンバリン、小太鼓2台に中太鼓、大太鼓にシンバルが用いられ、1人の奏者によって演奏される。この小さく独特なアンサンブル編成は、作曲された第一次世界大戦直後の、人も物資も不足した状況を反映している。
作者36歳の頃の作品で、すでに発表した3大バレエ《火の鳥》、《ペトルーシュカ》、《春の祭典》の後にあたる。初演は成功したが、奇しくも当時、ヨーロッパを襲ったスペイン風邪の大流行により、巡業公演が取りやめられたと言われている。

豪華な面子。〝耳で見る〟「兵士の物語」の歴史的演奏。

この録音は1962年に、スイスの第17回モントルー=ヴヴェイ国際音楽祭での公演を機に実現したもので収録に参加した豪華な面子を見れば、二度と現れることのない歴史的録音であることは一目瞭然。
更に特徴的なのは、通常語り手が受け持つ説明の一部をそれぞれの役に割り振ったり、通常パントマイムのプリンセスにセリフを割り当てたりして等々、前例がないレコードで聞く物語だけに、工夫が凝らされストラヴィンスキー創作のレコード録音としての頂点とも云えるのではないでしょうか。
悪魔に名優ピーター・ユスティノフ、ジャン=マリー・フェルテの兵士、アンヌ・トニエッティの王女。朗読と演劇、バレエを総合した舞台作品ですが、ストラヴィンスキーと交友のあった20世紀の大詩人ジャン・コクトーが語り手を勤め、コクトーと交友のあったイーゴリ・マルケヴィッチが指揮して、名手モーリス・アンドレが参加というだけで、最上の名盤と言えます。
マルケヴィッチは本当に多彩で、ロシアものや自国のフランスものを得意としていた。なので、力強い激しさがあるが、その中に何か優しさを感じる繊細さも感じられる。スイス・プレス盤、ステレオ録音。
■コクトーが亡くなるちょうど1年前の1962年10月4日から8日にかけてスイス、ヴヴェイ劇場で録音されました。ジャケットのイラストはジャン・コクトーがこのレコードのために描いたものです。

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  2. 835 181LY

プロダクト・ディテール(オリジナル盤)

  1. レーベル
    PHILIPS
  2. レコード番号
    835 181LY
  3. 作曲家
    イーゴリ・ストラヴィンスキー
  4. 楽曲
    兵士の物語
  5. 演奏者
    • ジャン・コクトー(語り手)
    • ピーター・ユスティノフ(悪魔)
    • ジャン・マリー=フェルテ(兵士)
    • アンヌ・トニエッテ(王女)
    • ヴァイオリン/マヌーグ・パリキアン Manoug Parikian
    • コントラバス/ヨアヒム・グート Joachim Gut
    • クラリネット/ユリス・ドレクリューズ Ulysse Delécluse
    • ファゴット/アンリ・エレールツ Henri Helaerts
    • コルネット/モーリス・アンドレ Maurice André
    • トロンボーン/ロラン・シュノルク Roland Schnorkh
    • 打楽器/シャルル・ペシエ Charles Peschier
  6. オーケストラ
    アンサンブル・ド・ソリスト
  7. 指揮者
    イーゴリ・マルケヴィチ
  8. 録音日
    1962年10月4日から8日にかけてスイスで録音
  9. 録音場所
    ヴヴェイ劇場(17eme Festival International de Musique de Montreux-Vevey)
  10. アートワーク
    ジャン・コクトー
  11. 録音種別
    STEREO
  12. 製盤国
    FR(フランス)盤
  13. レーベル世代
    赤地にホワイトロゴ
  14. 仕様
    三方見開きジャケット入り。

ショップ・インフォメーション(このヴィンテージ盤はショップサイトの扱いがあります。)

  1. 商品番号
    363296
  2. 盤コンディション
    良好です(MINT~NEAR MINT)
  3. ジャケットコンディション
    良好です
  4. 価格
    11,000円(税込)
  5. 商品リンク
  6. ショップ名
    輸入クラシックLP専門店 ベーレンプラッテ
  7. ショップ所在地
    〒157-0066 東京都世田谷区成城8-4-21 成城クローチェ11号室
  8. ショップアナウンス
    べーレンプラッテからお客様へ
    当店のレコードは、店主金子やスタッフたちが、おもにヨーロッパに直接出向き、実際の目と耳で厳選した、コンディション優秀な名盤ばかりです。国内で入手したものや、オークション品、委託商品はございませんので、安心してお求めになれます。

CDはアマゾンで購入できます。
ストラヴィンスキー:バレエ《兵士の物語》
ジャン・コクトー
ユニバーサル ミュージック
2021-03-24


ストラヴィンスキー : 演奏会用組曲「兵士の物語」 (1920年版)
ルーロー(ジョセフ)
ユニバーサル ミュージック クラシック
2000-12-20


ストラヴィンスキー:組曲「兵士の物語」
ストコフスキー(レオポルド)
日本コロムビア
2004-05-19


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