「 DE DECCA 6.42454 チョン・キョンファ シャルル・デュトワ ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 Franzosische Violinmusik」を通販レコードとしてご案内します。
通販レコード→DE 1979年発売 ドイツ初出盤
明快でのびのびしていて、いかにも快い。
「ツィガーヌ」はラッサンの第1部の絞り出すようなG線の音に、チョンの心の声が聴かれる。それは 胸をかきむしるようなすごい音色で、ジプシーの哀愁以上のものが漂う。フリスカではすべての表現が天才の証であり、リズムの間や巧みな節回しが唖然とするほどものを言っている。 ― 宇野功芳
『レコード芸術別冊 クラシック・レコード・ブック 協奏曲編』、1986年
『レコード芸術別冊 クラシック・レコード・ブック 協奏曲編』、1986年
ヴァイオリンをリズミカルに歌わせる点で、抜群の才能に恵まれている。
オーケストラ音楽はヘルベルト・フォン・カラヤンのベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のレコードを、ピアノと言えば、マルタ・アルゲリッチの演奏盤を第1に聴いていた頃、ヴァイオリンのレコードと言えば、チョン・キョンファの全盛時代だった。
サン=サーンスとラヴェルは、1977年に録音された7枚目のソロ・ アルバムにして、それまで協奏曲の大曲ばかり録音してきていたチョンにとって初めての小品集となったものです。この時期のチョンの演奏の特徴は、何と言っても作品に憑依したかのような凄まじい求心力を持っていることでしょう。体当たり的ともいえる情熱、豊かな感情の起伏、切れ味の鋭い技巧、そして鮮烈なまでの音色など、ヴァイオリンという楽器を極め、さらにそれを超えたところで音楽の深さを垣間見せてくれるヴァイオリニストとしてのチョンの本質が音として刻み込まれています。本盤のフランス・ヴァイオリン曲集(ショーソン、サン=サーンス、ラヴェル)はヴィルトゥオーゾとしてのチョンの凄さが最も直接的に味わえるもので、音楽の変化に沿って千変万化する、その音色の多彩さを聴くだけでも、彼女の才能の一端に触れられましょう。17年間にわたってデッカ・レーベルに録音した17枚のチョン・キョンファの中でも入手難No.2。余談ですが、オリジナル盤の入手難No.1はヨハン・ゼバスティアン・バッハの「無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ」。艶やかな民族衣装姿の表紙が思い出されます。
さて、サン=サーンスの「序奏とロンド・カプリチオーソ」は、フランスものならシャルル・デュトワだ、とされていた。デュトワは合わせもの上手で、一時期チョンとも親密な関係にあった。そのデュトワが振る、オーケストラをバックにしてて、伸びやかに熱く、輝く。上り下りするだけの音階も正確で、綺麗な音であるだけでも、弦の力強さに打ちのめされる。
ここでの彼女は、このレコードに明らかなごとく、表現の幅が広く、ヴァイオリンをリズミカルに歌わせる点で、抜群の才能に恵まれている。サン=サーンスとラヴェルは、明快でのびのびしていて、いかにも快い。
特に、夢見心地の世界に誘ってくれるショーソンの「詩曲」は、お薦め。サン=サーンスとはうってかわって、神秘的で、浮遊感に遊ばされる。息の長いフレージングが、素直な透るソノリティで演奏されているだけなのに、心豊かな思いをさせてくれるのは、オーケストラが、とっても柔らかく、暖かい空気感を醸し出しているサポートあってだろう。一挺のヴァイオリンから発されているような印象が残るくらいに、間合いがとても美しい。
わずか15分程度の小品ではあるが、上等な仄暗さがあり、世紀末の爛熟した退廃的世界観と、儚い夢が綴られている。キョンファの卓越した技術と繊細な音色、女性ならではとも感じる感情表現など、彼女がいかに特別な存在であったかがわかります。
サン=サーンスとラヴェルは、1977年に録音された7枚目のソロ・ アルバムにして、それまで協奏曲の大曲ばかり録音してきていたチョンにとって初めての小品集となったものです。この時期のチョンの演奏の特徴は、何と言っても作品に憑依したかのような凄まじい求心力を持っていることでしょう。体当たり的ともいえる情熱、豊かな感情の起伏、切れ味の鋭い技巧、そして鮮烈なまでの音色など、ヴァイオリンという楽器を極め、さらにそれを超えたところで音楽の深さを垣間見せてくれるヴァイオリニストとしてのチョンの本質が音として刻み込まれています。本盤のフランス・ヴァイオリン曲集(ショーソン、サン=サーンス、ラヴェル)はヴィルトゥオーゾとしてのチョンの凄さが最も直接的に味わえるもので、音楽の変化に沿って千変万化する、その音色の多彩さを聴くだけでも、彼女の才能の一端に触れられましょう。17年間にわたってデッカ・レーベルに録音した17枚のチョン・キョンファの中でも入手難No.2。余談ですが、オリジナル盤の入手難No.1はヨハン・ゼバスティアン・バッハの「無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ」。艶やかな民族衣装姿の表紙が思い出されます。
さて、サン=サーンスの「序奏とロンド・カプリチオーソ」は、フランスものならシャルル・デュトワだ、とされていた。デュトワは合わせもの上手で、一時期チョンとも親密な関係にあった。そのデュトワが振る、オーケストラをバックにしてて、伸びやかに熱く、輝く。上り下りするだけの音階も正確で、綺麗な音であるだけでも、弦の力強さに打ちのめされる。
ここでの彼女は、このレコードに明らかなごとく、表現の幅が広く、ヴァイオリンをリズミカルに歌わせる点で、抜群の才能に恵まれている。サン=サーンスとラヴェルは、明快でのびのびしていて、いかにも快い。
特に、夢見心地の世界に誘ってくれるショーソンの「詩曲」は、お薦め。サン=サーンスとはうってかわって、神秘的で、浮遊感に遊ばされる。息の長いフレージングが、素直な透るソノリティで演奏されているだけなのに、心豊かな思いをさせてくれるのは、オーケストラが、とっても柔らかく、暖かい空気感を醸し出しているサポートあってだろう。一挺のヴァイオリンから発されているような印象が残るくらいに、間合いがとても美しい。
わずか15分程度の小品ではあるが、上等な仄暗さがあり、世紀末の爛熟した退廃的世界観と、儚い夢が綴られている。キョンファの卓越した技術と繊細な音色、女性ならではとも感じる感情表現など、彼女がいかに特別な存在であったかがわかります。
早熟の天才ヴァイオリニスト。
チョン・キョンファは韓国・ソウル出身の女性ヴァイオリニスト。12歳で渡米し、ジュリアード音楽院で名教師ガラミアンに師事してその才能を開花させました。1967年、19歳でエドガー・レヴェントリット国際コンクールに優勝。第1位をピンカス・ズーカーマンと分け合ったことで大きな話題を集め、以降、国際的な舞台へ飛び出して活躍。その3年後、1970年にアンドレ・プレヴィン指揮ロンドン交響楽団と共演してヨーロッパ・デビューを果たし、「ジネット・ヌヴー以来、最も素晴らしいヴァイオリ ニスト」と絶賛され、センセーションを巻き起こしました。同時に英〈デッカ・レコード〉と録音契約を結び、ヨーロッパ・デビューと同じプレヴィン指揮ロンドン響とチャイコフスキーとシベリウスのヴァイオリン協奏曲を録音してレコード・デビューを果たしています。それ以来1987年まで17年間にわたってデッカ・レーベル に室内楽を含む17枚のディスクを録音。
その後EMIに移籍し、年に100回以上の演奏会を行なうトップ・ヴァイオリニストへと成長。
だが、2005年に指の怪我により2010年まで長期療養を余儀なくされるも、2011年12月に復帰。2013年6月には15年ぶりの来日リサイタル公演を開催、2015年にも来日公演を行なう。2016年に『バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ』全曲をリリース。コンサートでも披露するなど、息の長い演奏活動を続けています。その長い芸歴の中で、自らの芸風も変化させてきたチョン・キョンファですが、彼女の名をまず世界に知らしめ、その芸術の神髄を記録しているのは、やはり1980年代初頭までの録音といえるでしょう。
その後EMIに移籍し、年に100回以上の演奏会を行なうトップ・ヴァイオリニストへと成長。
だが、2005年に指の怪我により2010年まで長期療養を余儀なくされるも、2011年12月に復帰。2013年6月には15年ぶりの来日リサイタル公演を開催、2015年にも来日公演を行なう。2016年に『バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ』全曲をリリース。コンサートでも披露するなど、息の長い演奏活動を続けています。その長い芸歴の中で、自らの芸風も変化させてきたチョン・キョンファですが、彼女の名をまず世界に知らしめ、その芸術の神髄を記録しているのは、やはり1980年代初頭までの録音といえるでしょう。
永くデッカのスターであったチョン・キョンファのオリジナル盤。
東洋人のヴァイオリニストをスターにする英デッカ社の経営陣に敬意を表します。20枚近くあるチョン・キョンファのアナログ盤はどれも人気が高いが、中でも英盤は入手難。本盤の録音はすべて1912年に建立されたロンドンのキングスウェイ・ホールで行われました。このホールは、SPレコードの電気録音最初期の1926年からデジタル録音が始まっていた1984年まで、オーケストラ、合唱曲、そしてオペラ作品の録音に引っ張りだこだった、ロンドンのもっとも有名な録音会場であり、その深みのある優れたアコースティックは数多くの名録音を生み出しています。ヴェテラン・プロデューサーであるクリストファー・レーバーンがプロデュースを担い、ホールの音響特性を知り尽くしたデッカのチーフ・エンジニア、ケネス・ウィルキンソンがエンジニアリングを担い、ヴァイオリン独奏を細部まで明晰に捉えつつ、後ろに広がるオーケストラのスケールの大きなサウンド・イメージが巧みに再現されています。
- Record Karte
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- 収録曲
- ショーソン:詩曲
- サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ
- サン=サーンス:ハヴァネラ
- ラヴェル:ツィガーヌ
- 1977年4月ロンドン、キングズウェイ・ホール録音。
- プロデューサー:クリストファー・レーバーン
- エンジニア:ケネス・ウィルキンソン
- 英国盤LP初出:SXL6851(1979年)
- 日本盤LP初出:SLA1228 (1979年10月21日)
- 収録曲
CDはアマゾンで
イタマール・ゴラン
King International
2013-11-20
from 100年後でも聴いて楽しいアナログ名盤レコード https://ift.tt/zO9kupx
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