DE DGG LPM18 675 ロリン・マゼール フランス国立管弦楽団 フランソワーズ・オジェア カミーユ・モラーヌ シルヴェーヌ・ジルマ ミシェル・セネシャル ラヴェル 子供と呪文

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「 DE DGG LPM18 675 ロリン・マゼール フランス国立管弦楽団 フランソワーズ・オジェア カミーユ・モラーヌ シルヴェーヌ・ジルマ ミシェル・セネシャル ラヴェル 子供と呪文」を通販レコードとしてご案内します。

他指揮者の真似できないボキャブラリーで標題音楽を見事に表現するマゼールの名盤 ― カラヤンとの因縁深いマゼール。作曲家でもある資質と卓越したヴァイオリンの腕前といった、カラヤンがコンプレックスを抱えていた才能のある ― ムターがウィーン・フィルとの録音でチェンバロを弾き、ヨーロッパ参加を作曲したのはカラヤンの抵抗だったとしたらマゼールはなかなかの存在だったと思える ― 指揮者。冴えた閃きでカラヤンの苦手としたレパートリーを攻めてくるのだからたまらない。しかもそれが、カラヤンに負けない変態ぶり。後世に残す手本と成る録音を残そうと頑張っていたカラヤンには、そうしたマゼールの気ままぶりも辛抱ならなかったかもしれない。歌ものでも非凡さを発揮したラヴェルの資質に肉薄しえた、30歳代前半のマゼールの演奏は聴きものので、卓越したキャストに加え、冴えた音質で立ち上がる精緻な演奏に驚かされる屈指の名演である。馴染みの薄いラヴェルのオペラでしょうが、この『子供と魔法』については先ずは、訳など気にせず音楽を楽しむところから入っていいのではなかろうか。子供と子供が破壊したさまざまなモノたちの織りなす短いドタバタ・オペラ。これだけ楽しく、また美しい音楽に自然と何を言っているのか気になってくる。音楽はオーボエによる穏やかな節回しの「ところはノルマンディーの片田舎。ここに6歳か7歳くらいでしょうか、悪戯好きな子供がおりました。」という前口上で始められる。オーボエ2本による子供に母親が話しかけるラヴェルの着想の素晴らしさ。ラヴェルのオーケストレーションの見事さと、面白いコロラトゥーラも含むモノたちの多彩な歌が聴きものです。聴き手は摩訶不思議な世界に自然と入っていくことができる。言うことを聞かないので母親から叱られる。しかし子供は叱られて意気消沈どころか動物をいじめ暖炉をかき回し壁紙や本をボロボロに破くなど、やりたい放題。やがて悪戯に飽きた子供がソファーに座ろうとすると、なんとソファーが後ずさり。ここから舞台は幻想の世界に入り件の子供は、反対に家具、食器、暖炉の火、お姫さま、小さな老人、木、昆虫、動物といったものから追い回されたり、罵倒されたり。ついに動物たちは、この残酷な子供を罰してやろうと決心。だが動物たちが子供そっちのけで取っ組み合いをしている最中、一匹のリスが怪我をしてしまう。その時、思いがけないことに当の悪戯っ子が身につけていたリボンを外して怪我をしたリスを介抱してあげる。そのまま気を失ってしまった子供を前に困惑する動物たち。動物たちは「あの子はいい子。賢い子だ。」と口々に言い子供を支えて家まで連れて行ってあげる。子供は両手を伸ばし最後に或る言葉を口にした後、幕が下りる。どんなことがあろうと、子供は『ママ( Maman! )』が大好き。わがままするのも、ママの気を引きたいから。普遍的な、よくある顛末。ラヴェルは日常を見つめた音楽家だった。そしてラヴェルはきれいごとだけの音楽ではないところが魅力のはず。もちろん、マゼールの指揮も素晴らしい。標題音楽を見事に表現するマゼールの名盤の一つで、「音の錬金術師」ラヴェルの華麗かつ複雑な楽譜を、艶っぽい音色、中盤から後半へのダイナミックで熱気を帯びた盛り上げていきます。オーケストラとの相性も抜群で、マゼールの感性と一致し、マゼールらしい演出を見事に呼応した名演によって、粋で洒落たフランス音楽の精華が満喫できます。マゼールの曲者ぶりが実にうまく効果を発揮した、他者にまねのできないボキャブラリーでラヴェルを聴かせてくれている大変素晴らしい出来栄えとなりました。名歌手カミーユ・モラーヌまで出演した豪華なキャストです。
子供:フランソワーズ・オジェア(ソプラノ, Françoise Ogéas)、火、お姫様、うぐいす:シルヴェーヌ・ジルマ(ソプラノ, Sylvaine Gilma)、ママ、ティーカップ、とんぼ:ジャニーヌ・コラール(メゾ・ソプラノ, Jeannine Collard)、安楽椅子、白猫、リス、羊飼い:ジャーヌ・ベルビエ(ソプラノ, Jeanne Berbié)、こうもり、ふくろう、羊飼いの娘:コレット・エルゾグ(ソプラノ, Colette Herzog)、肘掛椅子、樹:ハインツ・レーフス(バス, Heinz Rehfuss)、振り子時計、黒猫:カミーユ・モラーヌ(バリトン, Camille Maurane)、ティーポット、数字のこびと、カエル:ミシェル・セネシャル(テノール, Michel Sénéchal)、ロリン・マゼール指揮フランス国立放送管弦楽団&合唱団。1960年11月パリ、サル・ド・ラ・ミュテュアリテでのステレオ・セッション録音。

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