GB DECCA SXL6837 ズービン・メータ ブレゲン リロワ ホーカン=アーンシェ メーヴェン ウィーン・フィル ブルックナー テ・デウム、ミサ曲2番

投稿日:

「 GB DECCA SXL6837 ズービン・メータ ブレゲン リロワ ホーカン=アーンシェ メーヴェン ウィーン・フィル ブルックナー テ・デウム、ミサ曲2番」を通販レコードとしてご案内します。

34-23022

商品番号 34-23022

通販レコード→英ナローバンド ED4盤[オリジナル]

〝このときしか出来ない〟演奏。 ― ブルックナーの《テ・デウム》とモーツァルトの『レクイエム』を組み合わせることには曰くがある。1892年4月15日にハンブルクでグスタフ・マーラーの指揮により《テ・デウム》とモーツァルトの「レクイエム」が演奏され、その大成功を翌日マーラーは師であるブルックナーに次のような手紙を送り報告している。昨日(聖金曜日)私はあなたの素晴らしい、そして力強い《テ・デウム》を指揮しました。一緒に演奏した人たちもすべての聴衆も、力強い構成と真に崇高な楽想に深い感動を与えられました。そして演奏の最後には、私が作品の最大の勝利と考えているものを体験しました。聴衆は黙って座り続け、身動きすることもなく、指揮者である私と演奏者たちが席を離れてから、はじめて喝采の嵐が巻き上がったのです…。『ブルックナー』は、今やハンブルクへの勝利に満ちた入場を成し遂げたのです。マーラーの言う「最大の勝利」を体感できる演奏会となった同日、聖フローリアンではベルンハルト・ドイブラーの指揮により、ブルックナー最後の教会典礼用作品である「王の御旗は翻る」が初演された。まことにモニュメンタルな人生一度きりであろうと思ったのであろう、「生きている」ことに感謝した演奏に出会うことがある。第9交響曲は未完に終わり、第4楽章の完成はかなわないと察したブルックナーは、この交響曲を演奏するときには終楽章の代わりに《テ・デウム》を演奏して欲しいと言い残した。〝ベートーヴェンの第9〟が脳裏をかすめたのか、未完で終わった自分への鎮魂を手向けて欲しかったのかは今となっては知れない。本声楽部分の処理が巧みなズービン・メータの棒による都会的でスタイリッシュともいうべき個性的名演。ブルックナーの宗教曲とメータ…あまり馴染みがないように思われるが、1970年代半ばのメータはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団と組んで、耽美的なまでにロマンティックな演奏を展開していた。ここでもオーケストラとコーラスが一体となった敬虔で美しい世界を描き出している。作品がポピュラリティのない作品なので他の演奏との比較はできませんが、それでもメータの覇気の漲る指揮と名門オーケストラをよくドライヴしている様子は伝わってきます。1989年4月25日に初版が出版された、「新版・クラシックの名曲・名盤 (講談社現代新書)」で音楽評論家の宇野功芳による有名な批評文がある。僕にいわせれば、たった一言で終わりである。「メータのブルックナーなど聴きに行く方がわるい」。知らなかったとは言ってほしくない。ブルックナーを愛する者は、そのくらいは知らなくてはだめだ。というのだ。この批評文は刊行当時から長きに亘って、愛好家の間に広く膾炙し、「メータのブルックナーなど聴くものではない。」という「聴かず済ます」を蔓延させることにもなってしまっている判断理由の裏付けとして要因として影響が強いとみているが、この宇野の評文は〝著作上のレトリック〟なのかもしれません。いまや、コンサートのみならず、オペラにおけるレパートリーも広範にわたる。響きは豊潤、スケールは雄大であり、かつての巨匠指揮者を偲ばせる芸風である。1959年にはウィーン・フィル、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団を指揮してデビューし、大成功を収めたのは若干23歳の時。ヘルベルト・フォン・カラヤンの後継者に目されるほどの聴かせ上手だった若き日のメータは1962年からロサンジェルス・フィルハーモニックの音楽監督に就任。デッカ=ロンドンの売れっ子指揮者として、録音効果のあがるダイナミックな音楽ばかりで勝負していくことになる。メータとロサンジェルス・フィルが、UCLAのロイス・ホールでセッション・レコーディングで制作したアルバムは、どれも音質が良く、演奏も当時の彼らならではの勢いの良さとダイナミックな力強さが気持ちの良いものばかりで、そうした傾向と作品の性格が合致した場合は無類の心地よさを感じさせてくれたものでした。ダイナミックな迫力、ティンパニのクリアな轟き、躍動的なリズム、艶っぽい響き、同じカラヤン&ウィーン・フィルとはまるで異なる聴き応えです。力感も十分あり、特にホルンは他のオーケストラでは聴けない独特の音色を思いっきり強奏させて痛快。若いメータを迎えたウィーン・フィルとデッカ・スタッフが生み出した〝このときしか出来ない〟演奏だったのかも知れません。本盤、1976年6月、12月ウィーン、ソフィエンザールでのセッション、デッカの名物プロデューサー、ジョン・カルーショーのチームの残党クリストファー・レイバーンとジェームス・ロックという二人の偉大な制作陣の業物、録音秀逸なのは言うまでもない。

  • Record Karte
  • ジュディス・ブレゲン(ソプラノ)、マルガリータ・リロワ(アルト)、クラエス・ホーカン=アーンシェ(テノール)、ペーター・メーヴェン(バス)、ウィーン国立歌劇場合唱団(合唱指揮:ノルベルト・バラッチュ)、ヨーゼフ・ベック(オルガン)、1976年6月、12月ウィーン、ゾフィエンザールでのエンジニアはジェームス・ロック、プロデュースはクリストファー・レイバーンによるセッション、ステレオ録音。
  • GB DEC SXL6837 メータ・ウィーンフィル ブルックナー・…
  • GB DEC SXL6837 メータ・ウィーンフィル ブルックナー・…
テ・デウム
アンション
キングレコード
1993-06-23


続きを読む

from 100年後でも聴いて楽しいアナログ名盤レコード https://ift.tt/qVcf5u0
via IFTTT