「 US COLUMBIA MS6036 ブルーノ・ワルター コロムビア交響楽団 ベートーヴェン 交響曲3番「英雄」」を通販レコードとしてご案内します。
US COLUMBIA MS6036 ブルーノ・ワルター コロムビア交響楽団 ベートーヴェン 交響曲3番「英雄」
商品番号 34-19779
通販レコード→US 6EYES WITH BLACK LETTERING
響きの明晰性より音楽的な意味の明晰性を ― 人気曲ゆえに名演も多いベートーヴェンの交響曲第3番変ホ長調作品55『英雄』にあって、ここに聴かれるワルター一流の晴朗なリリシズムは未だに凌ぐものがありません。古典主義的ともいえる厳格で端正な音楽づくりを基本としながらも、所々にロマン主義的な自由な解釈をも聴かせるブルーノ・ワルター晩年の名演です。ただそこには付帯条件がつきまとう。確かに迫力だけではヴィルヘルム・フルトヴェングラーや最近の古楽器系演奏に劣り、造形の厳しさと言う点ではギュンター・ヴァント等に劣るだろう。しかし、なんともよく歌い、流れが実に自然な良い演奏で素直に感動できる。ワルターのベートーヴェンは、音のエッジが丸く柔らかく総じて暖かい。ベートーヴェンの古典派を代表する交響曲として〈英雄〉作曲の背景にあるものの受け止め方が理由だが、激しく燃えるような演奏が好みの人には、この演奏は合わないだろう。特に、この「英雄」は実に暖かく、穏やかな表情をもつ演奏になっている。決してセカセカしておらず豊かな心地になる音楽そのものを味わえるのは、大いにコロムビア交響楽団の響きの明るさも寄与している。テンポは速過ぎず遅すぎず、メロディ・ラインが優先されるので、フレーズの変わり目ではリズム感は乱れていると感じられるかもしれない。弦楽器群の減速と管楽器が縦一線ではないので表層的には、そう感じられる。エーリッヒ・クライバーとカルロス・クライバーが共有しているものに、ワルターも共通しているようだ。ワルターのステレオ録音は全般に編成の小さなことで目立って聴こえるのか、コロムビア響の〝ストコフスキー・スタイル〟の配置に慣れていなかったのかもしれない。ワルターとオットー・クレンペラーのレパートリーはモーツァルトとマーラーの音楽が大きな柱の一つになっている。周知の通り、ともにユダヤ人であるワルターとクレンペラーはマーラーの直弟子にあたり、マーラーを熱心に取りあげていた。ワルターの演奏は情緒的とされながら、音の出し方は似ている。ただしワルターはアルトゥーロ・トスカニーニのようにオーケストラに対して威圧的な態度をとることがなく、穏和とか柔和というイメージがついているが、当の本人は「私の関心は、響きの明晰性よりもっと高度の明晰性、即ち音楽的な意味の明晰性にある」とか「正確さに専念することで技術は得られるが、技術に専念しても正確さは得られない」と述べているように、音楽的な「明晰性」と「正確さ」を得るためであればアポロンにでもディオニュソスにでもなれる人だった。
- Record Karte
- 1958年1月20、23、25日ハリウッド、アメリカン・リージョン・ホールにて、エンジニアはリチャード・ブリッタン、ジョン・マクルーアがプロデュースしたステレオ・セッション録音。6EYES WITH BLACK LETTERING。
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