AT DGG SLPM139 371 クラウディオ・アバド ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 ブラームス セレナーデ2番、大学祝典序曲

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「 AT DGG SLPM139 371 クラウディオ・アバド ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 ブラームス セレナーデ2番、大学祝典序曲」を通販レコードとしてご案内します。

34-533

商品番号 34-533

通販レコード→豪チューリップ盤

オーケストラの音色を活かしながら ― 有名作曲家のマイナーな作品には名演が多いという「アバドの法則」を既にメジャーデビュー2年目にして発揮した録音。しかし、最初に録音するブラームスの曲が、はっきり言って退屈な「セレナーデ第2番」という指揮者もたぶんいないだろう。アバドのブラームスの特徴は、その軽やかなサウンドにあります。後年、ブラームスの交響曲・管弦楽曲・協奏曲全集に発展するのは未知数だった頃だから、レコード会社のプロデューサーの意図が大きく働いていることは言うまでもないが新進のクラウディオ・アバドは、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の音色を生かしながら、穏やかながらも要所をしっかり抑えたメリハリのある指揮で聴かせ、あえてこの曲を取り上げたことへの説得力を十分に感じさせてくれることになっている。「大学祝典序曲」は、明るい曲想とめまぐるしく移り変わる様々なモティーフの特徴や魅力をしっかりと表現しつくした上で高レベルで纏め上げた名演。アバドにとっては最も相性のいい曲のひとつと思う。指揮のスケールと説得力は20年後の、シュロモ・ミンツ独奏でのヴァイオリン協奏曲の余白での演奏には及ばないがオーケストラの音色はこちらのほうが個性的で、十分な存在価値がある。ご存じのとおり、当時ベルリン・フィルはヘルベルト・フォン・カラヤンとブラームス全集を完成していますが、その時はコントラバスは分厚く、金管は荒々しく輝かしく、という独特の鳴らし方をして、フレーズも低弦の出をずらし、ティンパニを深く打ち込むことで引き摺るように演奏していました。ブラームスのオーケストラ曲の響きは室内楽と管弦楽の混ざりあったようなもので、同じ時代に生きながらもブラームスはヴァーグナーとちがって、金管の使い方などが古風で、それだけに、木管が非常に重視されていた。それは誰しも知っている。だが、その木管の音色がブラームスではずいぶん地味な、艶消しをしたようなものであることには、必ずしも誰も気が付いているわけではない。例によって十年毎に録音をしているが、どこかのインタビューでカラヤンは楽譜を見るたびに新しい発見があると言っていた。指揮者の力量を図るのと同じように、中央ヨーロッパの管弦楽団の音色に実際にあたるべき、ブラームスの管弦楽曲の音の調整は比較的難しいことらしい。ところが、アバドはベルリン・フィルから腰が据わった重厚な響きを引き出しつつも、もっと横に軽やかに流線型に歌っていきます。彼のやり方というのは、むしろヴィルヘルム・フルトヴェングラーに近いような気がします。

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