US COLUMBIA M2S 622 ブルーノ・ワルター コロムビア交響楽団 オクシデンタル・カレッジ・コンサート合唱団 ブルックナー 交響曲4番「ロマンティック」 ワーグナー タンホイザー

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「 US COLUMBIA M2S 622 ブルーノ・ワルター コロムビア交響楽団 オクシデンタル・カレッジ・コンサート合唱団 ブルックナー 交響曲4番「ロマンティック」 ワーグナー タンホイザー」を通販レコードとしてご案内します。

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ワルターの、終始優しい眼差しもった明るい響きはロマン的 ― と題されるこの曲に相応しいものです。ブルックナーの最初の成功作となった《交響曲第4番》の特徴は、彼自身が付けた「ロマンチック」という副題が雄弁に語っている。これはドイツの奥深い森で味わう神秘的な感情をあらわしており、ベルリオーズやリストのような標題音楽と誤解されてはならない。ベートーヴェンの「田園交響曲」と同じように、ブルックナーの大自然に対する限りない愛情を盛り込んだもの、とでも思えば良い。そこには自然への憧れ、「遠い昔」への郷愁、神秘的幻想などが込められており、時代を超えて、私たちをそうした世界へと誘ってくれる。しかしブルックナーは無邪気にも、そういった誤解を招くような説明を、この交響曲に加えている。一種のこじつけであろうが彼は、この曲の第1楽章をワーグナーの歌劇「ローエングリーン」第2幕に出てくるような中世の情景画として説明している。自筆譜の作曲家自身の書き込みは物語的だ。「中世の町 ― 夜明け ― リンツの教会の塔から朝を知らせるラッパが吹かれる」 ― 朝霧を思わせる〝ブルックナー開始〟から、のどかなホルン独奏の第1主題が登場。夜が明けるようにクレシェンドした後、〝ブルックナー・リズム〟の副楽想が登場する。「目覚めた町の門が開かれ、馬に乗った騎士たちが野外へと駆け出す ― 森のささやき」 ― 2つの旋律が同時に歌われる第2主題は、ブルックナーが生まれ故郷の上部オーストリアでよく聴いた「チチチッ」というヤマガラの鳴き声に由来している。ホルンとテューバなどが力強くブルックナー・リズムを吹き下ろすと、それが第3主題である。深い深い霧の中から、何かが次第に姿を表してくるかのような、こうした手法はブルックナー一流のもので、これを称して俗に「原始霧」といっている。彼の他の交響曲によく見られるミサ曲からの旋律の引用が全く無く、明るくまたやわらかな変ホ長調がとられ、0番から3番までの交響曲に見られた悲劇的、あるいは神秘的な雰囲気から脱したオプティミスティック、あるいはロマンティックなものが感じられる。ブルックナーの音楽には、いたるところに素朴なオーストリアの風光が潜んでいるのだ。ブルーノ・ワルター盤はオーケストラの響きがやや薄手で明るすぎるのが欠点だが、ブルックナーの世界に陶酔しながらも、一点一画も疎かにせず、精緻に優麗に田園的情緒を豊かに描き出している点が素晴らしい。ブラスの輝き、弦の艶、内声部の明確さなど、鮮烈な音で再現されていきます。ロマン主義の白鳥の歌とされるブルックナーの交響曲と、前世紀のクラシック音楽のロマンの名残をとどめたワルターの音楽。「ロマンティック」をワルターは輝かしい響きで完全に演奏した名盤です。

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