DE CLASSICAPHON 30002-16 マリア・カラス Portrait in Gold Vol.1

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34-7145

商品番号 34-7145

通販レコード→独ライト・イエロー黒文字盤

〝オナシスなしでは、私はつまらない人間です。私が女になるのは彼の目の中でだけ〟 ― 世紀のディーヴァ、マリア・カラス。オペラ通の間では「BC」と言えばカラス以前、「AC」と言えばカラス以後の意味だと言われ、その幽玄にしてドラマティックな歌声は、没後40年を過ぎたいまも世界の人々を魅了してやみません。カラスの全盛期にもまたその没後もオペラ界には優れた歌手は星の数ほど現われましたが、その歌手たちの多くが忘れ去られる中でカラスだけは時代を超えて今も新しくファンを獲得しているのは何故なのでしょうか。当時のミラノ・スカラ座のプリマドンナはアルトゥーロ・トスカニーニから〝天使の声〟と賞賛されたソプラノ歌手レナータ・テバルデイが第一人者として活躍していました。そのテバルデイが急病のためにヴェルディのオペラ「アイーダ」のタイトルロールの代役としてカラスは出演しましたが、カラスがスカラ座で正式にデビューしたのは1951年から52年にかけてシーズン・オープニングの演目、ヴェルデイ中期のオペラ「シチリア島の夕べの祈り」でした。それは黄金期の幕開けとなり、ベルリーニのオペラ《ノルマ》、モーツァルトのオペラ「後宮よりの逃走」、ヴェルデイのオペラ「マクベス」「トロバトーレ」、ケルビーノのオペラ「メデア」など次々と歌い、その芸術家としての重要な部分は、このスカラ座における10年間に凝縮されています。色めきだって数多くのモーツァルト作品が各レーベルが発売した生誕200年も一段落。当時はアクロバッティクな歌唱法として敬遠されていた「ベルカント(装飾技巧を入れたドラマティックな唱法)」を好んで演目に入れ、それまで通俗的とされていた「ベルカント・オペラ」に、登場人物の心理描写に深く踏み込んだ巧みな演技力で、ドラマティクな見せ場をつくり、観衆を圧倒し、熱狂させた。それまで廃れていた「メディア」や《ランメルムーアのルチア》などが本格的に復活したのも、カラスの登場があってこそである。カラスは、歌劇における演技力、役の心理の理解に優れた歌手だった。なかでも絶頂期の最大傑作のひとつとなったカラスとルキノ・ヴィスコンティの創造したヴェルディのオペラ「椿姫」のあとでは、しばらくは上演されず、久しぶりに挑戦した実力のあるソプラノ歌手の舞台も失敗に終わり、次の「椿姫」が上演されるまでにはまた長い時間がかかりました。ヴィオレッタ役をカラスは全身全霊で演じ、スカラ座の歴史上伝説的な舞台になった上演で、当時のカラスの圧倒的な演唱を数多くの人々が知っていた。本盤は最盛期のライヴ録音、ベルリーニのオペラ《ノルマ》、《夢遊病の娘》、ドニゼッティのオペラ《ランメルムーアのルチア》、《アンナ・ボレーナ》、グルックのオペラ《タウリスのイフィゲニア》。得意とした5大名作オペラのハイライト5枚組。彼女はクラシックの世界に生きた人だが、その記憶のされかたは、ポップ・スターに近いところがある。そして、実人生のほうも、芝居のようにドラマティックなものだった。カラスは、派手な社交や恋愛でも知名度を上げた。1957年にヴェネツィアで開かれたエルザ・マックスウェルのパーティーで「20世紀最大の海運王」と言われたアリストテレス・ソクラテス・オナシスと知り合う。オナシスはカラスに向かって「我々は世界で最も有名なふたりのギリシア人です」と自己紹介し、カラスは「貴方は何でいちばん有名なのかしら」と答えた。「彼の感触になぜか魅了されるように思えて、私は心の中で警鐘を鳴らした」(『マリア・カラスという生きかた』音楽之友社)とカラスは書き留めている。カラスのあらゆる滞在先には「ギリシア人より」とだけ自筆で書かれたカードが付いた赤いバラの花籠が欠かさず送られてくるようになり、それとともに宝飾品やチンチラのコートが送られてくるのに、さほど時間はかからなかった。「オナシスなしでは、私はつまらない人間です。私が女になるのは彼の目の中でだけ」。彼女の人生を〝マリア・カラス物語〟と名付けるならば、彼女を大輪のバラのようにキラキラと輝かせたスポットライトは、ギリシアの海運王オナシスとの恋物語である。ふたりは宿命の恋に落ちてしまった。しかし、9年ほど関係していたが結婚はしなかった。世界的な名声を持つ同郷の既婚の女性を愛人にしたいという、ブランド力に対する興味だったのだろうか。比類なき才能と情熱的な恋に生きたディーバ。その声に秘められた喜びや悲しみ、幸せを追い求めた切なさが心を揺さぶるから聴くものを惹きつけてやまないのだろう。クラシック通以外にも名前を知られ、広く聴かれた点では、ポピュラーな歌手だったのだ。

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