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GB DECCA PFS4205 ジョージ・ハースト ワーグナー・ローエングリーン
商品番号 34-17575
通販レコード→英レッド・アンド・ホワイト Phase 4 Stereo Concert Series 黒文字盤[オリジナル]
音楽の自然な躍動を絶やさないハーストの手腕 ― 湖と山々を背後に従えた荘厳で華麗なノイシュヴァンシュタイン城、東京ディズニーランドの象徴である「シンデレラ城」のモデルになっていることを知る人は多いでしょう。ドイツ、ロマンチック街道の終点に位置し、毎年、多くの観光客が訪ねる人気スポットです。その外観から中世に建設された城だと思うかもしれませんが、実際は19世紀後半に建設が開始されており、石造りではなく鉄骨の建築物です。しかも、資金難と施主であったバイエルンの王・ルートヴィヒ2世が退位に追い込まれたため、現在まで未完成のままとなっています。幼い時、中世の騎士伝説を読みふけって過ごした彼は、12歳でリヒャルト・ワーグナーの歌劇「ローエングリン」の脚本を読むと、たちまち、10世紀の白鳥に乗った騎士ローエングリンの虜となりました。《第1幕への前奏曲》の冒頭の和音は、天から注ぐ輝かしい光。続いて現われるヴァイオリン8声部によるフラジョレット奏法によるイ長調の旋律で、まばゆいばかりの光を放つ聖杯を表現しています。ワーグナー自身が書いた台本のト書きによると、「聖杯を捧げもった多数の天使たちが天空から舞い降り、やがて地表に漂い来る。人々は聖杯の放つ輝かしい光に歓喜する。天使たちは清らかな心をもった人々に聖杯の守護を託し、再び天空へ戻っていく」といった情景が9分足らずの前奏曲によって表現されていく。つまり、ワーグナーはオペラが始まる前の出来事を音楽で簡潔に説明しているわけです。《第3幕への前奏曲》は、オーケストラ作品として、とりわけアンコールで演奏される機会の多い有名な前奏曲。白鳥に乗った騎士とブラバント公国の公姉エルザの婚礼に向けて、公国中に喜びの気分が満ち溢れていることを表わしている。婚礼へ向かう音楽を、あえて壮麗かつ勇壮な音楽とすることで、この婚礼にまつわる喧騒の虚しさを表わしている。つまり、騎士とエルザの前途に待ち受ける暗い運命への門出を飛び切りの明るさによって装飾することで、暗い結末との間に強烈なコントラストを生じさせ、劇的効果を増幅させる。とはいえ、空騒ぎのような軽薄な音楽になっていない点は、ワーグナーの手腕の素晴らしさにほかならない。演奏では、楽劇「ワルキューレ」より第3幕のヴォータンの別れ《さらば、勇気ある輝かしき子よ!》に注目、歌うデヴィッド・ウォードは1960年から1962年までバイロイト音楽祭に出演し、その際にはハンス・ホッターを訪ねてワーグナーの作品の役作りについて助言を得ている。1963年にはメトロポリタン歌劇場に出演し、ミラノ・スカラ座にも進出するなど、イギリス内外を問わず国際的な活動を行うようになった最盛期の歌唱。サイモン・ラトルが指揮者になる決意をした最初のきっかけは、少年時代に聴いたジョージ・ハースト指揮によるマーラーの交響曲第2番「復活」だったそうです。その演奏がどれほど衝撃的だったか、本盤からも想像出来ます。その指揮スタイルは、英国風の穏健さとかけ離れた直截なダイナミズムに溢れ、表面的にフレーズを撫でているだけの箇所は皆無。楽想を内面から抉りすことと、ダイナミックな音像と推進力を導き出すことを常に共存させた音楽作りは、説得力絶大。美しく奏でるだけでも雰囲気を出せる箇所では、オーケストラが自発的にフレージを膨らませているような風情は、指揮者の本気度とのバランス・センスが象徴されている。確かな指揮者の手腕の賜物と言えましょう。
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