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古楽器演奏を愛するという人には、決してお薦めできない伝統的なスタイル ― 伝統的なスタイルの録音ではある。クララ・ハスキルのモーツァルトは、同じ曲の録音が複数あり、《ピアノ協奏曲第20番》では、本盤、ベルリン放送交響楽団をフェレンツ・フリッチャイが指揮したドイツ・グラモフォンでのモノラル盤、イーゴリ・マルケヴィッチ指揮ラムルー管弦楽団のステレオ盤の他にも、ヘンリー・スヴォボダの指揮でウィンターソー交響楽団とウェストミンスターへの録音、パウル・ヒンデミット指揮フランス国立管弦楽団と。5種類がある。ベルンハルト・パウムガルトナーにも、モーツァルティウム音楽院管弦楽団をバックに、溌剌とした力のこもったモーツァルトを聴かせた、モニク・ド・ラ・ブリュショルリとの録音がある。同じ女流ピアニストではあるが、優雅で情緒的なハスキル。パウムガルトナーのモーツァルト解釈は確固たるもので、両者ともにほとんど変化がない。このパウムガルトナーは、ザルツブルク音楽院の院長として長く勤め、ブルーノ・ワルターなどとも交友し、ヘルベルト・フォン・カラヤンの先生であった。モーツァルトの研究者として知られているが、そのとらえ方は今日では批判もある。でもここから聞こえてくる音楽の豊かさはワルターやトマス・ビーチャムの極上のモーツァルトにも比肩できるものだ。テンポが全てにおいて緩めに設定されていて、今日の感覚からしたら、なんともノンビリしているように聞こえるかも知れない。重心の低いソノリティは、ふくよかで、貴族的というのか、上品で、よく歌うフレージングが印象的だ。テンポの動きはシームレスで、モーツァルトならではのデリケートに変化する、性格をさらりと印象深くしていくあたり、決して凡手でなかったことを示している。〝短調のモーツァルト〟という付加価値からもたらされる一種の神話めいたものを《20番ニ短調》から聴きたい時に、ハスキルはふさわしいし、本盤のモーツァルトは限界に追い込まれたときの人間の本当の友情、やさしさを具現化したような稀有な名演だと言い得ます。
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