DE DGG 2530 715 カール・ベーム ヴォルフガング・シュルツ ニカノール・サバレタ ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 モーツァルト フルートとハープのための協奏曲、協奏交響曲

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34-21088

商品番号 34-21088

通販レコード→独ブルーライン盤

ハープの必殺普及人 ― 現代においてハープが本格的なコンサート楽器として取り上げられた例は、ヘンデルのハープ協奏曲などですが、オーケストラの重要な楽器として扱い始めたのは、モーツァルトの貢献があると断じたい。こういう点からも古典派の代表格モーツァルトはピアノでも、ヴァイオリンでもなく、ハープの必殺普及人と呼べるのでは。モーツァルトの本領であるオペラでも、通奏低音にハープが似合うようにも思えています。独奏楽器のフルートを立ち役とすると、通常は伴奏の役割が多いハープは伴侶か。この二つの楽器が独奏を共にするというコンチェルトは非常に珍しい構成ですが、素晴らしい名曲に仕上げてしまうあたりが、天才モーツァルトです。音程が不安定だからと、フルートの音に我慢がならなかった天才の絶対音感も、ハープにしっかりものの言える性格を与えている。アマチュアながら名フルート奏者であったド・ギーヌ公が、ハープを弾く娘と共演できるような作品を望んだことがきっかけで、1778年春、この《フルートとハープのための協奏曲ハ長調 K.299》が作曲されました。アドリアン・ルイ・ボニエールまたはルイ・ド・ボニエールと呼ばれた、ド・ギーヌ公爵はベルリン、ロンドン勤務も経験したフランスの外交官で、音楽の愛好家で、当時としては最新式のフルートを所有していた。モーツァルトは公爵の娘の家庭教師を務めていました。令嬢も鍵盤楽器やハープを器用に弾いたとされる。そんな父娘が共演するための音楽ゆえ、晴れやかな雰囲気や幸福感も身上となる。ウィーンからパリに嫁いだマリー・アントワネットがハープ好きだったことも手伝い、1770年以降のパリには、今の楽器よりも小ぶりで構造もシンプルだったとは申せ、ハープの製作者や演奏家、教師が結構存在していたようです。優美な楽の音が舞う。やはりマンハイム=パリ旅行の際に書かれた逸品で、第2楽章アンダンティーノの調べは有名。両端楽章の創りも素晴らしい。さて、ハープ界の女王と云えば、まず最初に我々はフランスのリリー・ラスキーヌの名前を思い浮かべますが、ハープ界の国王といえば、かの高名なフランスの作曲家ラヴェルが絶賛するスペインの世界的ハープ奏者ニカノール・サバレタでしょう。サバレタの安定感のあるクリアな演奏が曲の魅力をうまく引き出している。本盤は優雅で華やかな雰囲気のハープの音の世界を満喫出来る。いかにモーツァルト時代、グランド・ハープがコンサート楽器として普及・認知されていったを如実に示す名盤。ヴォルフガング・シュルツのフルートはきわめて上品、スペインの名ハーピスト、サバレタもウィーン勢と違和感なく、なにより、カール・ベームが振るウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるモーツァルト。ベームの温和な眼差しが感じられるなか、まろやかな響きが作られ、モーツァルトの典雅な協奏曲の美しさを堪能させてくれる。この手の作品は心にしみる、ウィーンの音楽だ。本盤を再生した途端、貴方の部屋はヨーロッパの宮殿の優雅な空気が支配することを保証致します。〈協奏交響曲〉は、18世紀中葉のパリやマンハイムで持て囃された〈複数のソロ楽器のための協奏曲〉で、モーツァルトも「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲」(1779年)や、オリジナルは行方不明だが「4つの管楽器のための協奏交響曲」(1778年)を書いている。しかしバロック音楽から派生したと考えられるこのジャンルは、19世紀中葉以降、メンデルスゾーン、シューマン、ブラームスが〈複数のソロ楽器のための協奏曲〉を作曲し、最晩年のブルッフやリヒャルト・シュトラウスが親密な「二重」協奏曲を紡いだとは言え、音楽のメインストリームからは外れてゆく。

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