FR CONCERT HALL SOCIETY MMS2164 サシュコ・ガヴリーロフ ヴィヴァルディ・ヴァイオリン協奏曲「四季」
商品番号 34-14291
通販レコード→仏ダーク・グリーン銀文字盤
ヴィヴァルディの〝四季〟は20世紀の作品だった ― 突飛な仮説を立ててみる。9月8日にNHK-FMで放送された『きらクラ』で、〈パッヘルベルのカノン〉の、陽の目をみない兄弟曲として〈シャコンヌ〉が紹介された。情報を寄せた投稿者が説明する通りには見つからなくて番組では、見つかりませんでしたと理って、オルガン曲の〈シャコンヌ ヘ短調〉が放送された。聴き終わった後で、ふかわりょうさんが「短調の曲しかないのはどうしてだろう」といった趣旨の感想には、一緒に番組のパーソナリティをしている遠藤真理さんに返事を求める感じがあったが、パッヘルベルには〈シャコンヌ ニ長調〉〈同ヘ長調〉の録音も多い。デジタル録音が本格化して「バロック名曲集」として最初に発売されたクルト・レーデル盤で、弦楽合奏による演奏を聴くことができる。さて、〈パッヘルベルのカノン〉は、原曲は『カノンとジーグ』。カノンは、〈カエルの合唱〉と同じ輪唱。輪唱が全く同じ旋律を追唱するのに対し、カノンでは、異なる音で始まるものが含まれる。また、リズムが2倍になったり、反行、逆行する特殊なものもあるが、パッヘルベルの〈カノン〉は、三声の同度カノンであるが、カノン声部だけで構成される純粋なカノンではなく、オスティナート・バスを伴う点が標準的なカノンとは異なる。半終止で終えられるごく短い2小節単位で進められながら、全27種類の旋律が編まれる。最後を〈ジーグ〉が〆るもので、パッヘルベルのスコア通りだったら、繰り返しを省略しても一時間の演奏になる。〈パッヘルベルのカノン〉の人気は、クルト・レーデル盤の6分間の演奏でも長く感じることだろう。オーソン・ウェルズの1962年の映画『審判』(The Trial)で使用されて、《アルビノーニのアダージョ》として親しまれる人気曲も、現在では完全なレモ・ジャゾットの創作であることが判明している。ジャゾットの名はアダージョの編曲者としてとりわけ有名になったが、この曲の版権はジャゾットが持っていたという落ちがある。秋の深まりとともに、その季節感を感じたいと選ぶのは、日本と同じような四つの季節を織り込んだ作品。ヴィヴァルディとハイドンの「四季」を取り出してくる。秋に限ったことではないですが、春、夏、冬に聴く「四季」のレコードは、長年繰り返している間に、違うものがレコード棚の一角を確保するようになりました。SPレコードの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」でモーツァルトが一般に認知されたように、ヴァイオリン協奏曲12曲からなるヴィヴァルディの「和声と創意の試み」作品8の第1から第4曲の、「春」「夏」「秋」「冬」の4曲を選んだのは、片面15分とされていた初期のLPレコードに最適だった。それを「Le quattro stagioni」とタイトルをつけてミュンヒンガー盤をデッカが発売。日本での発売で「四季」とつけたことも相乗効果で評判になる。これらレコード会社の発明だといっていい。耳馴染みがある名曲ですので意外かもしれませんが、「四季」の楽譜が再発見され出版されたのは第2次世界大戦後の1949年のことでした。戦前のクラシックファンはこの名曲「四季」の存在すら知らなかったというわけです。これをデビューしたばかりのイ・ムジチ合奏団が演奏して、イタリアのイメージにぴったりだった。さて、『調和の霊感』作品3でヴィヴァルディを知った、18世紀のヨーロッパ中の音楽ファンにとって、『ラ・ストラヴァガンツァ』作品4の印象はどんなだったろう? ― 現代曲の録音が多いサシュコ・ガヴリーロフで『四季』の後で聴く『ラ・ストラヴァガンツァ』から《第2番 ホ短調》は、とにかく刺激的だ。『調和の霊感』の成功を受けて、もっと聴き手を驚かせてやろうというヴィヴァルディの意気込みがビンビン伝わって来る。イ・ムジチ合奏団盤が1959年録音で、本盤は1961年。20世紀に再発見された音楽を、同時代に作曲されたものと考えているようだ。「心地よく聞き流したい」バロック音楽のイメージよりは、高級感ある演奏であり、リッチな気分、というと言い過ぎですが、声楽なしで、この時代のこれだけ重心の低い作風は特徴的です。次から次へと湧き上がる楽想の豊かさ。明確な主役 ― プリマ・ドンナ的なソロを、合奏が盛り立てる、近代ヴァイオリン協奏曲を予感させる形。『調和の霊感』の後では、まさに奇妙、狂態。ヴィヴァルディならではの超絶技巧でもガブリーロフの妙技は冴え渡り、『ラ・ストラヴァガンツァ』ならではの魅力を、しっかりとした聴き応えを以って、見事に鳴らし切る。音楽の焦点をソリストに絞ることで生まれる絶大なインパクト。そうして明らかにされる、ヴィヴァルディによる作り込まれた奇妙、狂態のおもしろさ。これが本盤を引き締めている。密度の濃い演奏となっていて、存分にヴィヴァルディの音楽、作風を感じ取ることができます。→コンディション、詳細を確認する
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