FR DISCOREALE DR10012-14 デジレ=エミール・アンゲルブレシュト レジーヌ・クレスパン ラウル・ジョバン フランス国立放送管弦楽団 フォーレ ペネロープ

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34-10534

商品番号 34-10534

通販レコード→仏ホワイト黒文字盤

気高いフレージングと物狂おしい抒情性 ― ソプラノ歌手リュシエンヌ・ブレヴァルがガブリエル・フォーレに《ペネロープ》の作曲を勧めたのは1907年1月のことである。若きルネ・フォーショワの台本を用いるという提案だった。このオペラは1907年4月に着手され、1912年8月に完成している。1913年4月にモンテカルロで行われた初演ではブレヴァルがペネロープ、シャルル・ルスリエールがユリッスを演じ、大成功を収めた。《ペネロープ》はシャンゼリゼ劇場の杮落とし公演(1913年5月)としてパリで上演された際にも大反響を呼んだ。ところが、秋になるとシャンゼリゼ劇場の破産騒動に巻きこまれるかたちとなり、結局ブリュッセルの王立モネ劇場で再演されることになった。やがてパリのオペラ・コミック座で再演の準備が進むが、1914年7月に第一次世界大戦が勃発。戦争は当初の予想を超えて長期化し、大量殺戮兵器の出現によって一般市民もまきこまれ、未曾有の犠牲と被害がもたらされた。1918年11月、ドイツとオーストリア・ハンガリーが敗れ、大戦は終結した。ドイツでは、すべての王侯貴族が追放された。オーストリアでは、600年以上にわたって君臨してきたハプスブルク家が追放された。この大戦によって、それまでの世界秩序が決定的に破壊された。終戦まで《ペネロープ》は5年ものあいだ、お蔵入りとなってしまった。1918年になると、もはやこの作品は新作としての話題性を失っていた、とはいえ両大戦間には、定期的にオペラ・コミック座の舞台にかけられている。のちの1943年にはパリ・オペラ座のレパートリーに加わり、1949年まで複数の演出で上演は続いた。ほどなく劇場での上演は減少したが、《ペネロープ》はデジレ=エミール・アンゲルブレシュト指揮フランス国立放送管弦楽団の演奏会で取り上げられたことによって、幾度も名演を生んだ。新たにペネロープ役に抜擢され見事な歌唱を披露したレジーヌ・クレスパンの演奏を、幸いなことに聴くことができる。LP時代には主に仏デュクレテ・トムソンにフォーレ、ドビュッシー、ラヴェルを多く録音しているアンゲルブレシュト。本盤は、フォーレ唯一のオペラ《ペネロープ》全曲の世界発録音。1956年5月24日パリ、シャンゼリゼ劇場での実況録音だが、初発は1980年だった。アンゲルブレシュトは過度に洗練されたフォーレを志向せず、むしろあるがままに一見すると無造作な手つきで音楽を差し出す。そこにえも言われる魅惑がある。優れた「序曲」で虜になるはずだ。《ペネロープ》の序曲(ト短調)は、離れ離れになった夫婦、ペネロープとユリッスの主題に基づいている。先に提示されるペネロープの主題は、求婚者たちの腹立ちに接したペネロープの強い哀しみを表現する和声的なテーマだ。トランペットが奏でるユリッスの光り輝く主題は、明快なリズムが特徴で、じつに力強い。これらふたつの主題が終始、インスピレーションに富んだ発展を促していく。この美しい序曲が演奏会で取り上げられることを切に望んだフォーレは、きわめて抒情的なコーダ(愛の主題)を添えている。この主題は、ペネロープとユリッスの主題とともに、オペラ全体の最後で壮大なフィナーレを形成している。類まれな息吹を感じさせる、印象深く壮大な曲である。気高いフレージングと物狂おしい抒情性。フォーレの曲は、打ち解けた間柄の人に語る親密な音楽という考えが広まっている。また、管弦楽法はうまくないというのは自他共に認めるところであった。しかし、この序曲には、フォーレを過小評価し続けている者たちの批判を一掃してしまう力がある。→コンディション、詳細を確認する

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