GB DECCA SXL6084 ロリン・マゼール ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 シベリウス 交響曲1番 「カレリア」組曲

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34-771

商品番号 34-771

通販レコード→英ワイドバンド “MADE IN ENGLAND BY THE DECCA” ED2盤

少々やり過ぎなくらい強烈な印象を与える個性派名演 ― 若い頃からヨーロッパとアメリカで活躍していたロリン・マゼール。マゼールは英EMI社だけからではなく、駆け出しの頃は英デッカ社からも気に入られていた。シベリウスの交響曲全集を完成させたのは30歳代前半の1963年から66年。33歳の若きマゼールがデビューした1963年のザルツブルク音楽祭は、まさしく「マゼールのための年」でした。この年、予定されていたフェレンツ・フリッチャイによる新しいモーツァルトのチクルスが健康上の理由でキャンセルとなり、急遽代役を探す必要に迫られた音楽祭事務局によって白羽の矢を立てられたのがマゼールで、グスタフ・ルドルフ・ゼルナーのプロダクションによる歌劇『フィガロの結婚』を見事に成功へと導きました。また、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団とのコンサートではヨハン・ゼバスチャン・バッハのブランデンブルク協奏曲第4番のあと、マゼール自身の「弾き振り」でモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3番を演奏、ベートーヴェンの第5交響曲を振り終えると聴衆のハートをわしづかみにしたのです。さらに、音楽祭の大詰めでもアクシデントが発生。こんどはウィーン・フィルと共演予定のゲオルグ・ショルティが突然の出演キャンセルとなり、またしてもマゼールは事務局とオーケストラの双方から代役を任されることになります。一躍時の人となった鬼才のレコーディング ― しかも交響曲全集 ― がセッティングされ、マゼールとウィーン・フィルとの初顔合わせとなった緊迫の快演。このころのウィーン・フィルハーモニー管弦楽団にはワルター・バリリ、ヴィリー・ボスコフスキー、ヴァルター・ヴェラー、ルドルフ・シュトレンクといった錚々たるヴァイオリンの名手らが在籍しており、オーケストラの黄金時代を迎えていました。本盤は、クールかつクリアな雰囲気となっており、朗々と鳴り渡る金管や明晰なティンパニなどは立派に雰囲気を醸し出している。シベリウスらしいかどうか、それはシベリウスの音楽に求めているものが聞き手それぞれだからなのだけれども、素朴な原産地直系の自然体演奏とは、一線を画す、というよりも対極にあるのが当盤のアプローチ。きつく堅く締め上げられたようなフォルムに、ウィーン・フィルの緊迫サウンドが刺激たっぷりの音彩を付加。少々やり過ぎなくらい強烈な印象を与える個性派名演です。でも、「ほほう」と思わせられる瞬間がある。神童と言われたマゼール、鼻っ柱が強そうな若いポートレートを眺めながら聴いていたからか、天才的なこの指揮者はこれからどちらに向かっていくのだろう ― 内省的な世界か、表現の多彩さか ― と思いました。晩年の演奏については評価が分かれるでしょうが、聴く者へのインパクトとしては、1950年代終わりから60年代の演奏が圧倒的に大きい。作曲家でもあったマゼールが、自らの楽曲理解や感動をそのままぶつけているからでしょう。横っ面を張られるような新鮮さがありました。決して明るすぎることのないシャープさは、けっして曲想から逸脱してはいません。デッカ録音の面目躍如といったところでしょうか、録音が素晴らしいのです。当時のデッカ社も心得ていたようでシベリウスやチャイコフスキーは、録音が良いことと演奏家が一流であることは必須です。元気よく暴走気味のシベリウスではあれ、世界最高峰のオーケストラ、ウィーン・フィルと録音していたという事実は、若きマゼールの実力を物語っています。

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