ショルティにうってつけの豪快華麗な、20世紀を合唱音楽の代表作。 ― 2017年は、20世紀を代表する巨匠指揮者サー・ゲオルグ・ショルティの没後20年、及び生誕105年でした。半世紀にわたり一貫して英DECCAに録音し、数々の名盤を遺した重要なアーティストであり続けた。なによりもショルティと関係良好だったウィーン・フィルハーモニー管弦楽団と後世に語り継がれるオペラをウィーンのソフィエンザールで次々と録音している。その一方で英国デッカ社は、ロンドン交響楽団やロンドン・フィルハーモニー管弦楽団との有名管弦楽曲の録音を進めた。ショルティはハンガリー人だが、ご存知のとおり後年は英国籍を取得したし「サー」の称号も得ている。シカゴ交響楽団の音楽監督としての活動が主に知られているが、もちろん、ロンドン・フィルは首席指揮者を1979年から1983年までつとめているので、ショルティにとって大変縁のあるオーケストラであり、エルガーの2つの交響曲のほか、行進曲「威風堂々」、「エニグマ変奏曲」なども同オーケストラと録音している。ロマンティックで、イギリス的な雰囲気な作風のサー・ウィリアム・ターナー・ウォルトン(1902〜1983)は戦後純音楽の分野で活躍しました。『戴冠式テ・デウム』は英国女王エリザベス2世の戴冠式の最後を彩るための音楽で壮麗で祝典的曲で、親しみやすい音楽だ。『ベルシャザールの饗宴』では、ユダヤ人のバビロン捕囚と、やがて実現される予言へ期待 ― ウォルトンの選んだ物語は、旧約聖書に出ている栄華を誇り悪徳の栄えたユーフラテス河畔の大都会バビロンの崩壊 ― を描いている作品です。二重合唱や二群の吹奏楽を要する壮大なこの作品は、さすがショルティの資質にあっているらしくダイナミックな表現が冴えた演奏です。全曲を通して、複雑なリズムと、豊かな管弦楽法が際立っている。聖書の物語を伝えるために利用されたリズム語法や和声法は、ウォルトンが興味を持っていたジャズなどのポピュラー音楽を反映している。しかも録音エンジニアは、あのケネス・ウィルキンソンだ。キラキラ輝く音質はここでも素晴らしい、楽器の音色が判別しやすく、音が前へ前へと飛んで来る勢いがある。そして合唱、オーケストラ、独唱者はオール・イングリッシュ。曲の編成はバリトン独唱、二重混声合唱と膨大な編成のオーケストラにサキソフォーンやあらゆる打楽器(スラップスティック、かなとこ、など)が加わり、これらのオーケストラのほかに2つのブラスバンドが指揮者の左右に配される。〝ステレオはロンドン〟の英DECCAに打って付けの豪快華麗なウォルトンの代表作で、また今世紀の合唱音楽の代表作でもある。大都市バビロンの崩壊を嘆く声に平行してユダヤ人民は自由を喜び合い、歓喜の合唱を歌うクライマックスは、ヘルベルト・フォン・カラヤンが「20世紀で最もすぐれた合唱作品」と言ったのが納得できる、壮麗な音響が楽しめる。
from 100年後でも聴いて楽しいアナログ名盤レコード http://bit.ly/2QeD3ce
via IFTTT

