GB DECCA SDD110 アルフレード・カンポリ メンデルスゾーン・ヴァイオリン協奏曲、ブルッフ・スコットランド幻想曲
商品番号 34-19979
通販レコード→英 Ace of Diamonds盤
イタリアの青い空、地中海の碧い色。陽気さ、明るい、そういう音色、そして一抹の陰り … 哀愁。懐かしさと郷愁も感じる、そんなヴァイオリンの音色に惚れた ― 類まれな技巧を駆使して豊かな情感が表現されるが、その情感にはあくまで上品で繊細な響きの持ち主、アルフレード・カンポーリのヴァイオリンは官能的なまでに甘美でありながら、ぴんと張りつめるような緊張感を保って伸びやかに歌っている。イタリア人という彼の中のラテン的な明るさとストラディヴァリスの豊穣な音色が相まって、 ゆっくりとした時間の流れに身を委ねることが出来ます。独特の歌心溢れる甘美な音色は聴く者を虜にせずにはいられません。その凄さが、これみよがしになっていないのが心憎い。歌うようなヴァイオリンの音色という形容は、これこそ肉声の歌声を聴いているようなカンポーリの録音にこそ言える至福の一枚。そしてまた、楽譜に書かれた音符から読み取った共感に忠実に、楽器が放つ音に色彩や音量の変化を綿密に施していくカンポーリの音楽性は、トルソーの少女像が甘美な官能的なものに変化していく様な艶めかしさも感じられて脱帽もの。1906生まれのヴァイオリニスト、カンポーリは主にサロン音楽のヴァイオリニストとして活躍していましたが、1950年前後からはデッカに様々なクラシック音楽を録音するようになりました。名前からして純粋なイタリア人と思えるが、活躍の場は女王陛下の国英国。バッハもモーツァルトもベートーヴェンもイタリアのやり方を見習い、その手法で自分の音楽を書きましたが、カンポーリは祖国イタリアを、異国の地の英国デッカの力を借り、国際スタンダードにした立役者と云ったところか。ヨーロッパでも有名な家族の一つだった、メンデルスゾーンほど裕福な出身の音楽家はいません。ところが、彼らはユダヤ人だったのです。差別から公立の学校へ通うことができず、ベルリンで、メンデルスゾーンはユダヤ人というだけの理由で本来就任するはずの職から排除されてしまったことがありました。彼の暗い予感どおり、ドイツでは社会不安を背景にアーリア主義が拡大し、ユダヤ人排斥が強化され、ミュンヘンにファシズム政党ナチスが生まれ、その党首ヒトラーが政権をとると、ユダヤ人への迫害は公然のものとなり、メンデルスゾーン銀行は解体されてしまう。音楽も例外ではなかった。メンデルスゾーンの名前は教科書から消され、ゲヴァントハウスの前に建っていた彼の銅像は破壊され、彼の名がついていた通りの名称は変更され、彼の作品の出版は禁止された。《ヴァイオリン協奏曲ホ短調》だけは、人気がありすぎて演奏され続けたが、メンデルスゾーンの名前は伏せられたままだった。世界三大ヴァイオリン協奏曲にメンデルスゾーン、ベートーヴェンは不動だが、SPレコード時代はブルッフ、LPレコード時代になってチャイコフスキーが3つめを争うが、ブラームス、シベリウスなどと有名コンチェルト七大としたい。メンデルスゾーンへの評価は、死後、時代の波にもまれて下降していった。メンデルスゾーン作品の大きな特徴である貴族的優雅さ、明朗で知的な美しさ、類稀なメロディの豊かさといったものが、あたかも短所であるかのように論じられさえした。この曲は曲への深い共感と、自然な息づかいで精神的な余裕が感じられる演奏である必要がある。そこが課題だが、平然と演奏できるようになるには、作曲の背景にある《とある人類が引き起こした悲しい歴史》の生々しい記憶が遠いものと成ってからのことかもしれないが。本盤に収録されているヴァイオリンのための名作達は、ステレオ初期にカンポーリが残した名盤として知られています。
from 100年後でも聴いて楽しいアナログ名盤レコード http://bit.ly/2Htt3sR
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