「ムーンライズ・キングダム」の音楽。 ― 映画『ダージリン急行』や『ファンタスティック Mr.FOX』で知られるウェス・アンダーソン監督の『ムーンライズ・キングダム』は、2012年5月に行われた第65回カンヌ国際映画祭コンペティション部門でプレミア上映され、話題をさらいました。1965年のニューイングランドを舞台に、12歳のサムとスージーの恋模様を軸にからまっていく島の人々の人間模様を描いた作品で、ブルース・ウィリスをはじめ、ビル・マーレイ、フランシス・マクドーマンド、エドワード・ノートン、ティルダ・スウィントン…豪華スターたちが2人の大冒険を彩ります。美しくも独特の世界観を紡いだサウンドトラックには、レナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルハーモニック演奏の、「青少年のための管弦楽入門」作品34や、ノーマン・デル・マー指揮イングリッシュ・オペラ・グループ・オーケストラ演奏の、「ノアの洪水」作品59のほか、「シンプル・シンフォニー」作品4、歌劇「真夏の夜の夢」作品64、「金曜日の午後」作品7といったベンジャミン・ブリテン(1913〜1976)の音楽をブリテン自身が演奏した、有名な一連の英デッカへのレコード録音が使用された。アレクサンドル・デスプラによるテーマ音楽のほか、ハンク・ウィリアムズ、フランソワーズ・アルディのヒット曲が、時代感をうまく演出していた。ブリテンは早熟の天才で、13歳の時から音楽理論と作曲を、作曲家フランク・ブリッジ(1879〜1941)に学びました。現代の作曲家の中では最も合唱を愛した作曲家でもあり、終生にわたって児童合唱を愛した。作品数も多く、イギリス各地の児童合唱団との録音数も多い。現代の水準からすれば合唱団の水準は十分とはいえず、技巧的な局面で厳しい面もある。しかし、作曲家自身の指揮ならではの自然なフレーズ感や発語に、作品の本来的な姿をみることができる。
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