「 ホリガーらの武満/ミニアチュアⅡ DE DGG 2530 407 STEREO」を通販レコードとしてご案内します。
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作曲家・武満徹が没した日(1996年)。戦時中だった幼少期に勤労動員として駆り出された際、士官が蓄音器で聴かせてくれたシャンソンがきっかけで作曲家になる決心をしたと言われる。その後ほとんど独学で音楽を学んだ彼は、次々に作品を発表し自国にルーツを持たない〝西洋〟音楽というフィールドで、世界のタケミツとして活躍した。国内よりも海外で高く評価された数少ない日本人作曲家である。
- 日本人の作曲家でもっとも国際的な武満徹の遺した音楽。没後30年の今日、その音楽が朽ちる様子はない。無音の宇宙の星々にあえて音をつけたような、さらに何かに必死に耐えているような、静寂の空間に凝縮された金属打楽器や弦楽器の硬質な音のキラメキ。そこに分け入って薩摩琵琶と尺八が、西洋管弦楽に絡みあい、時にぶつかって、壮絶かつ幽玄、美しき音世界をつくり出していく。1960年代の初期の作品、「ノヴェンバー・ステップス」や「弦楽のためのレクイエム」は、何に抗うというのか、禁欲的だとも評された。ストラヴィンスキーが来日した折に聞いた「弦楽のためのレクイエム」に「なんてきびしい音楽だ。まったくきびしい。」と、驚嘆し、称賛した。ソヴィエトのハチャトゥリアンは、「この世の音ではない。まるで深海の底のような音楽」と評した。これによって、日本国内においても武満徹の評判が一転した。
- 邦楽器の響きの目新しさに関心がある待ってのことだろうが、作曲技法に縛られるところのないわかりやすさ ― フリースタイルが東洋と西洋のグローバル的な融合といった地平で世界でも受けた要因と思える。武満音楽のイメージとして強い「ノヴェンバー・ステップス」や「弦楽のためのレクイエム」のような、西洋管弦楽と邦楽器の対決・融合、もしくは邦楽器を使用した現代曲といった作品はむしろ少なく、その後、1970年代の中期以降からは、硬い響きは豊穣的で濃醇な、とろけるような音楽に変わってゆき、旋律も素直に歌心を満開させた独自の世界を貫いた。手掛けたジャンルはピアノ曲から協奏的作品、管弦楽まで幅広い作品体系を築き上げた。映画音楽では、先輩の早坂文雄死去の後の黒沢明作品も多い。オーケストラ曲なら「夢の時(ドリームタイム)」と「系図 ― 若い人のための音楽詩」(谷川俊太郎が手がけた詩の朗読あり)をお勧めする。
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聞かせてよ愛の言葉を
- 武満徹(1930〜1996)はストラヴィンスキーに認められ、ニューヨーク・フィルが初演した「ノヴェンバー・ステップス」など日本を代表する現代音楽作曲家として世界に名を轟かせたが、同時に「うた」の世界も忘れなかった。武満の「うた」は基本的に調性音楽で、大変聴き易い。フォーク歌手で、武満の友人である小室等が、武満と知りあったころ、すでに、20世紀を代表する大作曲家、「世界のタケミツ」であった彼に対し「フォークなんて、幼稚な音楽ですよ」と思わず、自らのコンプレックスを吐露したところ、武満は開口一番、 「そんなことを言うもんじゃない!!」と真剣に否定した。あるときはベルリン・フィルの常任指揮者だったサイモン・ラトルとカラオケに連れ立ってシャンソンを熱唱した。
- 20世紀の日本を代表する作曲家・武満徹は第二次世界大戦中の1945年8月初め、学徒動員で招集された陸軍食糧基地でこの「うた」に出会った。見習士官の一人が、手持ちの蓄音機を使ってこっそり内緒で敵国のレコードをかけた時である。中学生(14歳)の出来事だった。音楽に開眼したその時のことをタケミツは著作の中で次のように回想している。
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― それは、当時、私たちが接していた音楽というものと、まるで違うものだったのです。そのころ私たちはほとんど軍歌ばかり歌わされていたし、それに音楽も、敵性音楽といった欧米のほとんどの音楽は禁止されていました。その時、見習士官が私たちに聴かせてくれたのが、いま思えばフランスのシャンソンで、『パルレ・モア・ダアムール』(聞かせてよ、愛のことば)という歌でした。それは私にとっては初めて知った、軍歌とはまるで違う別の、しかも甘美な音楽でありました。それを聴いて、こんな素晴らしい音楽がこの世にあったのかと思いました。そのことが終戦になってからも忘れられなくて、音楽に自分の関心が集中してきました。
武満徹「私の受けた音楽教育」
- Parlez-moi d’amour (Lucienne Boyer, soprano vocals)
- 録音時期は1930年1月。
- 銀色のリラ、リュシエンヌ・ボワイエのソプラノ技巧も間然とするところがない。スペインの歌手ラケル・メレが蜜の甘さならボワイエは良質の冰糖の甘さ、その甘さに混るのは仄かな苦みである。エメラルドとオパールが花影で触れ合い煌めき合うような美しい曲は、彼女がこの世に献じた不壊の供物である。
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- 聞かせてよ、愛の言葉を
- 優しく囁いて
- あなたの美しいお話
- 聞き飽きたりなんかしない
- 何度でも繰り返して
- その至福の言葉を
- 愛してると
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- 知っているでしょう
- 私が心の底では信じてないのを
- それでもまだ聞きたいの
- 愛撫するあなたの声で
- 私の大好きな言葉を
- 私は美しいお話に動揺し
- 心ならずもそれを信じたくなる
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- 聞かせてよ、愛の言葉を
- 優しく囁いて
- あなたの美しいお話
- 聞き飽きたりなんかしない
- 何度でも繰り返して
- その至福の言葉を
- 愛してると
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- 甘いささやきが、私の心をときめかす
- 空想上の生き物を信じなかったら
- ときに人生はつらいもの
- でも安心させてくれる誓いの言葉を聞けば
- 悲しみは薄らぎ
- 口づけで心の傷は癒やされる
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- また、五木寛之(原作)小林正樹(監督)の映画「燃える秋」主題歌も哀愁が漂っていて良い。
- 武満は死の前日にラジオで「マタイ受難曲」の全曲を聴いた。武満が20歳のころから大好きで、大好きでたまらなかった「マタイ受難曲」。新約聖書「マタイによる福音書」の26、27章のキリストの受難を題材にした受難曲である。第1部と第2部に別れ、全曲はおよそ3時間の大規模な宗教音楽の最高峰だ。音楽の父、ヨハン・ゼバスティアン・バッハの自筆譜は浄書され聖トーマス教会にバッハの死後、長く忘れられていたが、1829年3月11日、フェリックス・メンデルスゾーンによって歴史的な復活上演がなされ、バッハの再評価につながった。当時は一部の鍵盤楽器練習曲などを除いて忘れ去られていたバッハの中・大規模作品をはじめとする音楽が再評価されることになったのである。
- 「いいね、感動した。心が癒されたよ」
- そして、40年来の親友で詩人・谷川俊太郎をして動揺せしめた、死の床での言葉。
……ぼくは、いかなる場合においても「希望」を捨てない。
その言葉を最期に、星空に旅立っていった。 -
DE Deutsche Grammophon 2530 407 – Ursula & Heinz Holliger, Aurèle Nicolet, Tadamaro Ohno, Basel-Ensemble – Jürg Wyttembach – Toru Takemitsu – Miniatur Ⅱ
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― 作品が求めた演奏家たちによる武満芸術の極!

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ミニアチュール 第2集/武満徹の芸術
- オーボエと笙が織り成す響きが印象的な《ディスタンス》、フルート奏者が肉声を発する《声》、独奏ハープとあらかじめ録音されたテープが融合する《スタンザⅡ》、常緑樹のユーカリに由来する《ユーカリプス》。武満徹が敬愛するスイスの3人の名演奏家、オーレル・ニコレとハインツ&ウルズラ・ホリガー夫妻への「個人的な贈り物」として作曲献呈され、彼ら3人がソロを務めた演奏を収録した貴重なアルバムです。1973年度レコード・アカデミー賞受賞盤。
- 楽曲
- ディスタンス
- 声(ヴォイス)
- スタンザⅡ
- ユーカリプスⅠ
- ユーカリプスⅡ
- 日本が世界に誇る音楽家である武満徹の<Miniatur>シリーズの第2集として1973年にリリースされたアルバム。1970年作曲の「Eucalypus」(B1/B2)、1971年作曲の「Voice」(A2)と「Stanza II」(A3)、1972年作曲の「Distance」(A1)を収録。1970年代前半、大阪万博が音楽カルチャーに大いに刺激的だった風紀を強く感じる。
- 雅楽師、宮内庁楽部楽長だった多忠麿の笙とハインツ・ホリガーのオーボエが共振する『ディスタンス』は、「雅楽《秋庭歌》」へと繋がる志向が見え隠れする。オーレル・ニコレのための『声(ヴォイス)』は、おそらくスコア上で指示されたものと思われますが、フルート独奏で時折聞こえてくる息遣いや声がとてもプリミティブに感じる作品。原初楽器とされるハープと1970年代初頭の先端技術だったテープを用いて、録音された鳥の鳴き声などの具体音も交えながら展開されるアヴァンギャルドな領域を目指した『スタンザⅡ』に注目したいレコードです。
- 演奏者
- 多忠麿(笙)、ハインツ・ホリガー(オーボエ)
- オーレル・ニコレ(フルート)
- ウルズラ・ホリガー(ハープ)
- オーレル・ニコレ(フルート)、ハインツ・ホリガー(オーボエ)、ウルズラ・ホリガー(ハープ)、バーゼル・アンサンブル/指揮:ユルク・ヴィッテンバッハ
- オーレル・ニコレ(フルート)、ハインツ・ホリガー(オーボエ)、ウルズラ・ホリガー(ハープ)
- 録音:1972年3月(声(ヴォイス)、スタンザⅡ、ユーカリプスⅠ、ユーカリプスⅡ)、1973年6月(ディスタンス) 東京、ポリドール・スタジオ
- 表紙デザインは、宇佐美圭司。
プロダクト・ディテール(オリジナル盤)
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レーベルDeutsche Grammophon
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楽曲
- ディスタンス、ヴォイス、スタンザⅡ
- ユーカリプスⅠ、ユーカリプスⅡ
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レコード番号2530 407
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作曲家武満徹
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演奏者ハインツ・ホリガー(オーボエ)、ウルズラ・ホリガー(ハープ)、オーレル・ニコレ(フルート)、多忠麿(笙)
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オーケストラバーゼル・アンサンブル
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指揮者ユルク・ヴィッテンバッハ
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録音年月1972年3月(声(ヴォイス)、スタンザⅡ、ユーカリプスⅠ、ユーカリプスⅡ)、1973年6月(ディスタンス)
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録音エンジニアEngineer [Recording] – Dr. Rudolf Werner, Shosuke Akino / Engineer [Sound] – Nobuo Sugita, Wolfgang Mitlehner
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録音種別STEREO
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製盤国DE(ドイツ)盤
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レーベル世代ブルーラインレ-ベル, 優秀録音。
ショップ・インフォメーション(このヴィンテージ盤はショップサイトの扱いがあります。)
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商品番号372468
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レコード盤コンディション良好です(MINT~NEAR MINT)
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ジャケットコンディション良好です(裏面に書き込みあり)
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価格8,800円(税込)
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商品リンク
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ショップ名輸入クラシックLP専門店 ベーレンプラッテ
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ショップ所在地〒157-0066 東京都世田谷区成城8-4-21 成城クローチェ11号室
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